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第3話

「さて、いくとするか」


3人は敵本拠地へと走り出す。


「おいでなすったぞ」


目の前に剣士や鎧兵士の亡霊が土人形となり現れる。


「多いな。突っ込むぞ」


土人形の数はおよそ500体。まだ次々と出てくる。


「我が大鎌『デスサイズ』の餌食となるがいい」


日向は魔法で大鎌を取り出し一振りすると衝撃波が鎌の刃の形となって飛んでいき土人形を薙ぎ倒す。


そして新たに銃を持った土人形が数体現れ桔梗へ撃ってくる。


しかし何故か銃弾は桔梗の前で弾かれる。


「そのような攻撃、私の『ヴィーナス』の前では無意味です」


桔梗は纏っている羽衣で銃弾を弾き落としたのだ。


「では、行きますよ」


桔梗は土人形の前まで迫り羽衣を振ると土人形は羽衣によって斬られ崩れていく。


「うおおおおお!」


無月は土人形を斬りながら突き進むが数が多すぎる。


鎚を持った土人形が無月の隙を狙い、攻撃をする。


「うあっ!」


攻撃を受け、無月は遠くへ吹き飛ばされる。


「数が多いな。桔梗!」


日向は後ろのほうで戦っている桔梗へと叫ぶ。


「わかりました」


桔梗は一度小さく頷きオカリナを取り出して奏で始める。






―未だ天に召されぬ魂よ この響きによって裁きの門へと導かれよ―






『鎮魂歌』


辺りに優しいオカリナの音色が響き渡る。


すると土人形が次々と崩れていきあれだけあった土人形は全て消えていった。


「すげぇ…」


「無月、驚いている場合じゃないぞ」


「早く祢音を助けるんでしょ」


そして本拠地へ入っていった。


本拠地はそれなりに大きな研究所だった。


「来るな…」


「気をつけて下さい」


すると地面から翼が生えたライオンや甲羅を背負った虎、


など様々な獣が合成された獣たちがうじゃうじゃと現れた。


「奇妙な奴らだな」


「ここは元々そういうのを研究する施設だからな」


獣たちは唸り声を上げ獲物を狙う時のように睨んでくる。


「来るぞ!」


そして獣たちは大きな口を開け襲ってくる。


「はぁっ!」


日向は大鎌の刃を獣へと刺し引き裂く。


「うらぁ!」


無月は刀を振り上げ獣を切り裂く。


「ふふ」


桔梗は微笑みの内側に殺意を秘めながら羽衣で獣を斬っていく。


しかし獣たちはまだまだ出てくる。


「これでは時間が掛かりすぎる!急いでるというのに!」


「まぁそう焦るな。『ソニックスピード』」


すると日向が音の様に速いスピードで獣達を切り裂いていく。


そしてほんの少し経つと目の前には獣達の残骸のみとなった


「速い…」


「これぐらいで驚いてもらっては困るぞ」


いつのまにか無月の隣に立っていた日向は無月に向かって笑う。


「さて、どちらへ行きましょうか?」


辺りを見回すといくつもの道に別れておりその先には部屋があるようだった。


「どこに行くんだ?」


無月は道を見渡しながら2人に聞く。


「まずは手当たり次第探してみましょう」


「分散して探すか?無月も十分一人で戦える力を持っている」


「ではそうしましょう。祢音を見つけ次第携帯で連絡すること」


そして3人は別れて探すことにした。





  〜桔梗SIDE〜


「さて、どこへいきましょうか」


しばらく桔梗はてくてくと廊下を歩くと一つの看板が目に入る。


それは『合成獣開発部』とか書かれていた。


「入ってみましょうか」


そして桔梗は扉を開け部屋に入った。


「あらあら、物騒な」


その部屋は広々としており、


一つのでかいカプセルのようなモノの中に色々と合成された1匹の気味の悪い獣が入っていた。


「趣味の悪い研究ね」


桔梗は部屋を見渡すが人の気配はなく、部屋は空っぽだった。


「ふんふん。何にもないわね」


桔梗は机の書類をふんふんと頷きながら書類を眺める。


「!?」


桔梗が手にした書類の一つに『人間と獣の合成について』と書いてある書類があった。


「なかなか興味深いわね」


そこにはこう書いてあった。


『我々は獣同士の合成には成功したが人と獣の合成には失敗するばかりであった。


合成に成功したとしても出来上がった実験体は理性を持たないただの殺戮人形となるばかりであった。


我々は人並の知能を持ち人以上の戦闘力を兼ね備えた兵士を作り出したかった


そこで我々は合成ではなく一から作り出すことを決定した』


文章はそこで途切れ次の紙はなかった。


「ふ〜ん、なるほど」


桔梗は書類を放し机に置いた。


書類はパサッと音を立てた。


音を立てた瞬間、部屋へ人が続々と入ってくる。


「侵入者だ!撃ち殺せ!」


防具を装備した警備兵がマシンガンを放ってくる。


「あらら、見つかっちゃいましたか」


桔梗は羽衣を盾とし、銃弾を防いでいく。


「そんなものは壊しますよ」


桔梗は警備兵へと銃弾を弾きながら近づいていき、マシンガンを斬る。


「さっさと逃げないと、死んじゃいますよ」


桔梗は警備員へ殺意満々の笑みを浮かべる。


「くっ」


警備員は部屋の一角にあった赤いスイッチを押す。


すると、部屋にあったカプセルが割れ合成獣が動き出す。


「オォォォォォォ」


獣は唸り声を上げる。


先ほどの獣たちとは違い、いくつもの獣が合成されていた。


「かかってきなさい」


そして獣は桔梗へと襲いかかる。


スピードはとても速く桔梗目掛けて右手で殴ってくる。


桔梗はひらりとその攻撃を避けるとその攻撃は部屋の壁へ当たり壁は粉々になる。


「スピードはチーター、パワーはゴリラの如し、ですかね」


桔梗は羽衣を振り獣へと攻撃するが獣は飛び立ち攻撃を避ける。


「それは何の翼かしら?」


獣は急に方向転換し左手のライオンの爪で斬りかかる


しかし桔梗は攻撃をさけると左腕を斬り落とす。


「グオォォォォォ!」


切り口からは血が溢れ出し獣は低い叫び声を上げる。


「これでどう?」


桔梗は獣の腹へと攻撃を仕掛けるが攻撃は弾かれてしまう。


「亀の甲羅、その防御力たいしたものですね。しかし」


続いて桔梗は右腕を攻撃し斬り落とす。


右腕は左腕と同じように血が噴き出し獣は叫び続ける。


「首を落とせば問題ないですね」


そして桔梗は虎の頭、その首筋を狙い羽衣を振ると首はボトリと音を立て落ちる。


「所詮、獣ではこの程度の力しかないようですね。さてここにはもう用はないですね」


桔梗は扉を開き部屋から出て行った。


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