0066 - 第 1 巻 - 第 4 章 - 8
【説明書】
警告。これは人間の認知を超えたクスリだ。使うなら、その結果を受け入れる覚悟を持っておくこと。
これを使えば、あらゆる身体的な損傷や病気を“治す”ことができる。第二の人生を開くことすらも可能でしょう。
けれどこれは回復系のクスリではない。身体の修復はその効果の過程に過ぎない。
このクスリの本当の効果は、人間の体を溶かして再構築することだ。
ただし、再構築された身体は、元の身体とは別物になる。
元々の生物学的性別が何であれ、再構築後の身体は必ず女性となり、生物学的年齢は十代になる。
理論上、もとの脳さえ損傷していなければ、記憶や人格はそのまま保たれる。
再度警告する。これは人間の認知を超えたクスリだ。不適切に使えば、深刻な社会的・倫理的問題を引き起こす可能性がある。使う前にしっかり考えて。
あの魔法陣の傍で、ケースに入れた宝石と共に保存すれば、理論上の活性は十年以上保たれる。
ただし限度がある。保存期間が長引くほど、再構築に失敗したり、何らかの問題が起きるリスクは高まる。使うなら早いうちに。
(使い方と注意点は次ページへ)
用法:
薬液を静脈内に注射する。
やり方が分からない場合、筋肉注射でも構わない。つまり、四肢や臀部など筋肉の多い部位に注射針を刺し、薬液を注入すればいい。
緊急時には動脈注射も可能だが、その場合はしっかり止血すること。
用量:
1本全部を使うこと。
作用過程:
注射後、数分から数十分で効果が発現する。時間は投与方法により異なる。
効果が発現すると身体の溶解が始まり、半液状・半固形状の状態となる。溶解過程は約1~2分。
溶解が完了すると、身体の再構築が始まる。骨などを主成分とする物質が一定サイズの立方体を形成し、溶解した身体全体を包み込む。
人体の再構築はその立方体内部で行われる。再構築過程には約36~48時間を要する。
立方体は形成時は硬質だが、再構築の進行に伴い、次第に薄く脆くなっていく。やがて自ら殻を破って出てこられる状態になる。
立方体から出たら、立方体に繋がった臍帯状のものを切断する。立方体内に残る他の物質は全て廃棄物なので、捨てて問題ない。
再構築が成功したか否かは外見から判断できる。失敗した場合、通常は身体の奇形が見られる。
注意事項:
使用者は生存している状態でなければならない。死者には無効。
絶対にクスリを分割して使用しないこと。さもなければ極めて深刻な結果を招く。
清潔で広い場所で使用すること。
溶解後、立方体が形成される間は可能な限り干渉を避けること。干渉は問題を引き起こす可能性がある。
立方体状態は動物の卵に似ており、通気が必要。ある程度の揺れや衝撃には耐えられるが、過度の外力を受けると壊れ、死亡に至る。
立方体状態で60時間以上経ってもなお覚醒しない場合、使用者は死亡している可能性が高い。
これはあなたのために残しておいたもの。使い方はあなた自身が決めて。自分で使っても、誰かに使わせても、売ってもいい。
けれど、完璧な結果を保証できない。だから、もし他人に使うのであれば、その結果はあなたが責任を持つのだ。
読んでくれてありがとうございます。
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