0117 - 第 2 巻 - 第 4 章 - 5
4日半後、千里たちは再び集落を見つけ、再び1日休息した。
さらに2日半後、彼らはまたも人類の居住地を発見。だが今回は集落ではなく、規模の小さくない放棄された村だった。
進:「ここは……」
紗奈:「木造の家!! それにガラスの窓!?」
千里:「まだ樹海の中だけど、集落を見つける間隔がどんどん短くなってる。他の植生も最初に俺たちが現れた場所とはだいぶ違う。もしかして、人のいる場所に近づいてるのかもしれないな」
紗奈:「よかったね!」
進:「ああ! よし、早く家の中を見てみよう!」
三人はすぐに村全体を調査した。
同じく非常に荒廃していたが、しかし目に映るのは全て木造の家屋と家具、ガラス製品、織物、柔らかいベッド、鉄のフライパン……様々な物品が、ここが以前の集落よりはるかに文明度が高いことを示していた。廃墟とはいえ、かつての生活の息遣いが色濃く残っている。
しかし、元々喜んでいた千里は今眉をひそめた。
進:「どうした? 何か問題でも見つけたのか?」
千里:「……そうかもな。ここも以前の場所と同じで、騒動の痕跡はなさそうだ。家具なんかはきちんと整理されてるし、衣服なんかのものもあるべきところにある。ただ人がいない。もしどこかへ移住したというなら、これだけ多くの物を残していくのは不自然過ぎる」
進:「確かに……」
千里:「さらに奇妙なのは、ここには台所もあれば鉄の包丁や鍋もあるのに、ノコギリや他の木を伐採するのに使えそうな工具がないんだ。じゃあ家を建てるのに使った板はどこから来たんだ?」
紗奈:「そう言われれば…………」
進と紗奈も冷静さを取り戻した。
千里:「この村は以前の集落と違いすぎる。まるで突然どこから現れて、そして人々が集団で消えてしまったみたいだ」
紗奈:「そんな怖いこと言わないでよ……」
進:「…………近くを探索しよう。まだ何かあるかもしれない」
千里:「ああ、行こう」
これまでと同じように、三人は村の近くを回る。以前の集落にもあったA芋畑と小さな人工の池以外に、未知の作物畑と禽類の飼育場も見つけた。
もう少し遠くまで行くと、彼らは仰天するような巨大な構造物を発見した――ビルディングだ。
ビルは大きな岩で造られ、3階建てで、各階は約5メートルの高さがある。全体は方形で、敷地面積は約2000平方メートル、標準的なサッカー場の4分の1の大きさだ。
窓はガラス、四面にはそれぞれ金属製の大きな門がある。周辺は広々とした空地で、それを一周するように、外縁には巨木の切り株が取り囲んでいた。
三人は顔を見合わせ。この樹海にこんなビルがあることを信じられなかった。ここまでくると、彼らはそれを探索することを選ぶしかない。
近づいて千里が外壁を触ると、大きな岩の間の粘着剤がコンクリートに非常に似ていることに気づいた。紗奈がポーチの天井下を指さして「見て! 電灯だ!」と声をあげる。
その後、彼らは少し開いた大きな門からビルの内部へ入った。
最初に入ったのはロビーのような区域。この建築物も放棄されているようで、タイルが敷かれた床には多くの紙やガラスの破片などが散乱しており、全ての物には厚いほこりがかぶっていた。
ロビーの左右の角にはそれぞれ入口があり、同じ場所へ通じている。入口を抜けると光は壁に遮られ、中は非常に暗い。
しかし代わりに、廊下の床辺りは足元が見える程度のかすかに青白い光を放っており、一体化の非常照明システムのようだ。それは途切れることなく続き、闇に浮かぶ光の道のように、他の場所は見えなくとも、それに沿って歩けば壁にぶつかることも道を間違えることもない。
ロビーの入口の後ろには2階へ続く階段があり、段階部分にも同様に非常灯がついていた。
進:「SFって言うか、なんて言うか…………」
これまでの『原始さ』と眼前の『現代さ』が三人に錯覚を起こさせ、背筋が寒くなる思いだった。
真正面にもう一つの大きな門がある。門は閉ざされていたため、彼らはまず左側から探索を始めた。
内部には大量の部屋と機能区域があった。オフィス、会議室、応接室、実験室、資料室、倉庫、電力室、エレベーターホール……全ての場所に非常灯がある。そのうち実験室が大半を占め、動物の標本や人間の骨格模型があり、培養装置のようなものがいくつか並んでいた。
彼らはいくつかの資料を手に取ってみたが、どれも見たことのない文字で書かれていた。
そして電力室では、ケーブルが切断され、配電モジュールも破壊されていた。
方形の回廊をぐるぐる回り、目が薄暗さに慣れてきた頃、三人はある場所で案内図を見つけた。どうやらさっきの閉ざされた門は、この建築物の中心区域へ通じる入口の一つらしい。中心区域も方形で、各辺に1つずつ門がある。
正門は南門で、西門と東門も閉ざされており、やがて彼らは完全には閉まっていない北門から中心区域へ入った。
千里はここに何か重要な物が置かれていると思いきや、彼らの目に映ったのはただ広々とした何もない大部屋だけだった。
150平方メートルに近いがらんどうの大部屋の中には、一方の壁にコンソールのような装置があるだけで、他には4か所に人の腰ほどの高さの金属製の手すりがあるのみである。その無機質な広がりは、かえって三人の胸に一抹の不安をよぎらせた。
それらの手すりは方形の大部屋の中にさらに一つの正方形を形作っており、外側は普通の床で、人が歩くための通路のようだ。そして内側は、大きな黒褐色の隙間のない地面で、何の材料で敷かれているのか分からない。
地上よりも、三人の目を奪ったのは見上げた時の景観だった。この中心区域は吹き抜けになっている。つまりこの区域には2階と3階がなく、天井はこの建築物の屋根そのものだということ。
非常照明と3階のバルコニーから差し込むわずかな陽光で見えたのは、2階と3階の中心区域に面した回廊の縁にはガラスの壁が設けられている。そして、ここから他の場所へ通じるのは4つの門だけなのと、両側から開閉できそうな屋根。
紗奈:「ここは何をする場所なんだろう?」
進:「分からない。この構造はデパートに似てるけど、なんだか変な感じがする」
千里:「ああ、あのガラスの壁は何なんだろうな。これじゃジャッキー・チェンも上から降りてこれないじゃないか」
紗奈:「ぷふっ!」
進:「はははは!」
三人は談笑しながら壁際のコンソールの前に来た。
約140センチの長さ、約70センチの幅のコンソールには、大小様々なボタンとツマミ、そしていくつかの小さなディスプレイがびっしりと並んでいる。壁にはとても大きいディスプレイもあった。コンソールのパネルと下のケースには、いくつかのインジケータランプが緑に点滅し、いくつかは赤く点滅している。
彼らはどこから手をつけていいか分からない。千里がまず2階と3階を探索しよう、何か情報が見つかるかもしれないと提案した。
すると彼らは2階と3階を探索した。
2階の大部分は実験室で、他は倉庫や医務室などだった。2階の実験室は1階のものと比べ、部屋は少し狭く、大型の器具も少なめ。その代わりに無数のガラス製の実験器具が並び、研究テーマが一体何なのかは見当がつかない。
3階は居住区で、寝室、厨房、食堂、娯楽室などがある。植物がたくさん植えられているバルコニーもあったが、それらの植物はとっくに枯死し、粉々になっていた。
寝室は20室あったが、5室だけが明らかに人が住んでいた痕跡があり、ほとんどが女性の部屋だったようだ。他の部屋はベッド、机、衣類戸棚以外にはほぼ何もない。残り部屋の中に12室は寝室と同じ規格だが、完全な空っぽ。
2階と3階でもいくつかの資料や書籍を見つけたが、彼らに理解できる図や絵はほとんどなく、文字はなおさらだ。
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