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博士と立野くん

洗剤の進化〜博士と立野くん

作者: 星野☆明美

「お洗濯♪お洗濯」

博士の奥さんのみよこさんが博士の白衣と下着類を物干しに干していた。

「いつもありがとうございます」

立野くんが、いいなー、って顔してみよこさんに声をかけました。

「あのね、昔は臭いとか黄ばみとか取れなくて洗濯って大変だったのよ」

「最近の洗剤は優秀なんですね」

「布の消臭剤ファブ◯ーズが出た頃に、洗濯のときにそれを使っちゃ駄目ですか?ってお客さま相談センターにしつこく電話したら、今の洗剤ができてきてね、消費者の声でアイデアが開発者に届いたんだわきっと」

「しつこく電話、って、奥さんがされたんですか?」

「いいえ。あの人が」

あの人 イコール 博士か?

博士、ご自分で開発されれば話が早いし、ご自分の手柄にもなるのになぁ。

立野くんは、実に残念だと思った。

「なぜご自分で開発されなかったんですか?」

「わしも他の研究で忙しくてな。適材適所。その道のプロに任せていいんじゃよ」

「そんなものですか」

「そんなものじゃ。じゃなきゃ、わざわざ大学出て大学院行って、専門職で雇われた意味がなかろう」

「うーん」

僕は今やってる研究、埒が開かなくて投げ出したい気分だけど、そういうことなら、もうちょっと頑張ってみようかな。

「諦めが肝心」

「えっ?何が」

「えっ?何を考えとったんだね?わしゃ、自分ができることでも他人ができることなら押し付けるのがよろしい、という話をしとったんだが」

「ああ、いえ、なんでもないですぅ」

立野くんはおたおたしながら、どーしよーかな、違う研究しようかな、とぐるぐる考えた。

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