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*** 18 個別悪党対処 ***



この物語はフィクションです。

登場人物、国家、団体、制度などが実在のものと似ていたとしても、それは偶然です。

また物語内の記述が事実と違っていたとしても、それはフィクションだからです。




 


 そのとき群衆の上空に強烈な光が発生した。

 その光が収まると、身長5メートルほどに変化へんげしたムサシが、上空からゆっくりと降りて来たのである。

 その体はやはり光り輝き、背には2対4枚の巨大な翼も見えた。


(ムサシは階級としては一応中級神なので神威の翼も持っている)



「お、おおお!

 こ、これは天使さまではありませんかぁっ!

 このわたくし異端審問官であるムノー司教の前にそのお姿を顕現くださるとはぁぁぁ―――っ!」


「この魔女裁判は確りと見させてもらった……」


「おおお……

 ご照覧くださいましたかぁっ!」


「それではこれより神界からの神罰を下す。

 まずは火炙りの刑だったな」


「「「 うぉぉぉ―――っ! 」」」


「「「 天使さまバンザーイっ! 」」」


 ヒルダとミーニャを除く、司教と原告、証人に加えて15歳以上の傍聴人全員の頭が火に包まれた。


「「「 ぎゃぁぁぁ―――っ! 」」」

「「「 熱い熱い熱いよぉぉぉ―――っ! 」」」


 あの領主令嬢のドリルヘアーも火に包まれ、チリチリになって焼け落ちている。

 ついでに尻尾の毛も燃えて、その尾はネズミのように細い実にキショいものになった。

 もちろん裁判長ムノーの自慢の金髪も焼け落ちている。


「どうだ、火炙りは苦しいだろう。

 次に自己中裁判長ムノー、薬代を払わず済むように虚偽の告発をした原告ブーフ、この裁判を開催した村長、身内をかばって犯罪を見逃した自警団長、ブーフに言われて虚偽の証言をした証人に刑を下す」


 7人の体がみるみる姿を変え、悪魔バフォメットの姿になっていった。


「な、なんだあれは……」


「ば、バケモノだぁぁぁ―――っ!」


「い、いやあれは悪魔だぁぁぁ―――っ!」



「この極悪人どもは生涯この姿とする。

 また娯楽のために火炙りなどという残虐な刑を求めた者たちは、5年間の刑とする」


 その場の15歳以上の者たちの姿もみるみる悪魔姿に変わって行った。


「「「 うわぁぁぁ―――っ! 」」」


「ち、近寄るな悪魔めぇっ!」


「お、お前だって同じ姿だろうにっ!」



「さて薬師ヒルダ、その弟子ミーニャ、お前たちはこのままこの村に残っても酷い迫害を受けるだろう。

 わたしたち使徒が作った神の村に来るがいい」


「あ、ありがとうございます使徒さま。

 でも森の小屋の近くには、お父ちゃんとお母ちゃんのお墓があるんです。

 それに小屋にはお薬を作る道具も。

 だから……」


「それではその墓ごと神の村に移ろうか。

 もちろん小屋もだ。

 その神の村で、お前たちは村人のために薬を作って暮らせ。

 もちろん薬の代金は神界が払う」


「えっ……」


 その場の上空に10メートル四方、縦5メートルの土塊が現れた。

 その上には小さな墓石が2つ乗っている。

 また、土塊の横には小屋も浮いており、その場の全員がその様子を口を開けて見ていた。


「あ、ありがとうございます使徒さま……」



「お、お待ちください天使さまっ!

 敬虔な神の信者であるわたくしが、なぜこのような罰を受けるのでしょうかぁっ!」


「そんなこともわからんか。

 お前の属する教会は、偽りの神と偽りの教義を奉じ、俗世の権力とカネのためだけに存在しておる。

 しかも今回は、己の権威と出世のために、明らかに無罪と分かる無辜の民を火炙りにしようとした。

 真の神界が罰を下すのは当然だ。

 本当に火炙りにされないだけありがたく思え」


「そ、そんな……」


「だが安心しろ。

 お前の上司である大司教と、異端審問庁の責任者である枢機卿も、今はお前と同じ姿になっている」


「えっ……」


「よいか、この世に魔女などという者はいないのだ。

 にもかかわらず、民衆に残虐な娯楽を与えるなどいう目的と、それに伴って教会の権威を高めようなどという動機で魔女裁判などを続ければ、お前たちの教会は上は教皇から下は修道士まで、全員が同じ悪魔の姿になることだろう」


「!!!!!」


「その旨バチカンに戻って伝えるがよい」


「あうぅぅぅ―――っ!」




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「さてみんな、魔女狩りについてはこれからも同様な対処をしていってくれ」


「「「 了解! 」」」



 こうして、その後の200年間で、ローマカトリックでは80人の教皇、350人の枢機卿、1万2000人の大司教や司教、そして王族が5000人、貴族1万2000人、村人20万人がバフォメット姿になったそうだ。


 また、プロテスタント系諸教会でも、50人の教皇相当職、250人の枢機卿相当職、8000人の大司教や司教相当職、そして貴族が7000人、王族が3000人、そして国王交代が60件も起き、村人15万人もバフォメット姿になったとのことである。


 もちろん、神の愛を説く聖職者が悪魔の姿になることは中世世界に大激震を齎し、同時に教会の権威を地の底まで叩き落すことにもなった。

 これにより、中世の魔女狩りは完全に終息したそうだ……



 まあ滅ぶよりはマシだよね♪




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「お前たち、中南米のマヤ文明やインカ文明では生贄の胸を裂いて神に心臓を捧げるとか阿呆な真似をしているが、それも神官や王をバフォメットにすることで根絶していってくれ。

 やはり神の名を借りた娯楽殺人は許せん」


「「「 おう! 」」」


「それからだ、我々がこれだけの対処をすれば何人かの独裁者は世に出てこないかもしれないが、もし出て来たときに断固排除したい王や独裁者をリストアップしよう。

 特に銃器や火薬が普及して大量殺戮が行われるようになった近世・近代の独裁者だ」


「そうだな、まずエンヴェル・パシャには対処が必要だろう」


 エンヴェル・パシャ:オスマン帝国戦争大臣。

 1914年、アルメニア人200万人を殺害。


「まあ虐殺の兆候が見られたらバフォメット刑だな」


「ウラジミール・レーニンはどうする?」


「確かにあのロシア帝国を解体したっていうことを功績と言う奴もいるけどよ。

 でもあのロシア革命って、結局はクレムリン宮殿の住民が圧政者ロマノフ家(エルフ族)から共産主義者(狼人族や豚人族)に代わっただけとも言われてるよな」


「まあレーニンはロシア革命の後初代ソビエト共産党書記長になったけど、たった7年で死ぬからあんまり悪いことはやってないか」


「もし出て来たらよく観察して、圧政を始めたらラジオ体操刑で失脚させよう」


「その後継者であるスターリンはどうする」


「あー、あのヒトラーや毛沢東と並ぶ世界3大殺戮者な」


「最初はモルドバ人、ヴォルガ・ドイツ人、ポーランド人、コサック人を虐殺して、その後も自分を尊敬しない軍人や政治家を粛清とか言いながら片っ端から殺して行ったよな」


「自分を崇拝しない奴は信用出来ないから殺すっていう社会病質者だろ」


「あいつが殺した民は強制収容所に送って結果的に死なせた者も入れれば1500万人と言われてるけど、それって第2次世界大戦で最大の戦死者を出したソビエト連邦の戦死者1500万人とほぼ同数だよな」


「まあ登場したら即バフォメットの刑でいいだろう」


「アドルフ・ヒトラーも同じでいいな」



 もちろん、ヒトラーがバフォメット刑で早期に失脚した後、ルドルフ・ヘス、ゲーリング、ゲッペルスやボルマンといったナチス党幹部のみならず、陸軍や海軍、空軍の将軍たちがヒトラーの後継となるべく内戦を始めた。

 その内戦の懲罰は、兵を挙げた大臣や将軍が次々にバフォメットになった後も佐官級や尉官級の軍人にまで広がり、ついにはドイツ中が50万のバフォメットで溢れたそうだ。

 そのために、バフォメットたちは折から建設が始められていたアウシュビッツ収容所に放り込まれることとなったらしい。

 もちろんそんなバフォメットたちを処刑しようとすると、収容所長も看守たちも皆マッパのバフォメット姿になるために、誰が誰だかわかなくなるそうだ……




「ところで、ベニート・ムッソリーニはどうする?」


「あいつは直接虐殺はやってないからなぁ」


「ヒトラーに乗せられて枢軸国に参加しただけだし」


「枢軸国入りしようとしたらラジオ体操刑で失脚でいいか」



「毛沢東が出て来たらどうする?」


「あいつは直接虐殺は行ってないんだよな。

 初代国家主席に就くカリスマ性はあったけど、統治能力が驚くほど低かっただけで」


「でも農業政策の失政で国民に6000万人もの餓死者を出してるぞ」


「その後生涯ただ一度の自己批判をしたって言うけど、6000万人も死なせておいて反省するだけっていうのもなぁ」


「そのあとすぐあの悪名高き文化大革命を始めたしな」


「まあ無能だっただけの理由でバフォメット刑は重すぎるから、中華帝国の主席になったら飢饉が来る前にラジオ体操刑で失脚させよう」


「中華民国(台湾)初代総統の蒋介石はどうしようか?」


「あー、あの台湾人に『アメリカは日本に原子爆弾を落としたが、台湾には蒋介石を落とした』って言われてる奴な」


「自分に反対する国民を10万人殺してるから、虐殺を開始しそうになったらバフォメット刑にしよう」


「金日成はどう対処しようか」


「政権トップに就くのはヤタラに得意でも、統治能力がまるで無かったんで、自分の王朝を世界の最貧国にしちゃった奴だな」


「農民に『農業生産を上げろっ!』って命令しただけで、何の行動も取らなかった奴か。

 なんか本気で自分の命令は全て実行されると思ってたらしいな」


「まあ、俺たちの政策によって第2次世界大戦そのものが困難になって来てるから、王にはなれないだろう。

 もししゃしゃり出て来たら、すぐにラジオ体操刑で失脚でいいんじゃねえかな」





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