表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透明人間  作者: 岡倉桜紅
10/22

 土曜日だ。晴れていたので真船は三日間溜めてしまっていた服を洗濯機に入れ、部屋を掃除した。


 秋の朝日に部屋を舞うダストがキラキラと輝いていた。


 他に特にしなければいけないことも、したいこともなかったのでただ簡単な朝食を作り、隣の部屋からの洗濯機の音を聞きながら食べた。


 インスタントのコーヒーは少し苦かった。


 洗濯物を干していると遠くからスピーカーががなる音が聞こえた。近くの学校では体育祭が行われているのだろう。


 部屋の隅に立て掛けた傘を見ながらふと真船はあの少年のことを思った。


 あの店でたった一人で回していけるほど彼は大きくはないし、第一、あの店にそれほど客が入っているとは思えない。経済的、はたまた彼の将来的にもあれはきっと良くない。サンプルを見た限り幼いながらも技術は確かにある。


 彼は将来なにしてるだろう。


 真船は頭を振った。別にこれは私には関係のない事だ。私と彼は客と店員。それだけであって、世界には人の数だけ正しいあり方があるのだ。口を出す所ではない。


 もう一度傘を見やった。


 今日は少しだけ早めに店に行ってみよう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ