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17/18

俺と義妹、お花見。

ジャンル別10位、ありがとうございます!!

ブクマ評価まだの方は、是非あとがきを参照の上応援よろしくです!!


目指せ、ジャンル5位!!



※すみません、ぼっち・ざ・ろっく、見てました。夜は一回更新で勘弁してください……(´・ω・`)








「おー、この公園の桜はまだ満開なんだな」





 一足先に近所の公園へと向かうと、そこには懐かしい桜があった。

 小さな頃はここでよく遊んだりしたもので、この木にも登って怒られた記憶がある。いま思えば危なっかしいことばかりしていたな、と感慨に耽ってしまった。

 そうしていると、こちらにやってくる足音。

 俺は涼香がやってきたのだろうと、本当に無警戒にその方向へ視線をやった。




「あの、お待たせしました……!」

「…………!」




 すると、そこにいたのは桃色のフリルがあしらわれたワンピースを着た義妹の姿。肩口から綺麗な白い肌を露出した彼女は、恥じらいに頬を染めていた。

 そんな彼女を一言で表すなら、可憐。

 普段の制服や、コスプレ衣装とはまた違う趣があった。

 なんだろう。いつもは可愛いという表現が似合うのに対して、この服を着た彼女は――綺麗、とでもいえば良いのか。それでも大人びている、という感じではない。

 むしろ、大人になろうとしている少女、という表現が正しいように思えた。あまりにも初心でありながら、しかし隠し切れない美しさのギャップがとても良い。



「あの、義兄さん……? どう、ですか」

「に、似合ってる」

「えへへ、やったぁ!」



 恥ずかしげに訊いてくる涼香に、素直な感想を述べる。

 すると彼女は、いつになく子供っぽい仕草で喜ぶのだった。その時にワンピースがふわりと舞っていて、まるで桜の妖精のようにも思えてしまう。

 などと、そんなポエムを口にしかけるほどに義妹は愛らしかった。

 俺は乾きそうになった舌の根に唾を流し込み、誤魔化すようにこう提案する。



「と、とりあえずベンチに座らないか?」

「うん、座ろ?」



 そうすると、てこてこ、と。

 涼香は俺の隣にやってきておもむろに、その細い腕を絡めてきた。そしてこちらを見上げ、はにかむ。羞恥と歓喜が同居したようなその表情に、俺は――。




「ぐふ……」

「え!?」




 思わずうずくまって、両手で顔を覆うのだった。









「大丈夫? 義兄さん」

「あぁ、ごめんな。ちょっと、その……」




 俺は大きく深呼吸をして、なんとか気持ちを落ち着ける。

 桜の木の程近くにあるベンチに腰かけると、先ほどの緊張もいくらか和らいだ。そこになってようやく、俺は義妹に向き直って素直な感想を伝える。



「涼香、本当に綺麗になったな」



 それは紛れもない、心からの言葉だった。

 かなり緊張してしまうが、小さかった涼香の成長は正直に嬉しい。そんな想いを込めて告げると、彼女にも意図は伝わったらしい。

 また小さく微笑むと、まだあどけなさ残る少女はこう言った。



「ねぇ、義兄さん。憶えてる?」

「憶えてる、って?」

「私が昔、見た目のことで近所の子にイジメられてたこと」

「あぁ……そんなこともあったな」



 そして語るのは本当に出会ったばかりの頃のこと。

 ハーフであるが故に、義妹が受けたいじめについてだった。




「あの時、義兄さんが助けてくれなかったら。私はきっと――」






 そうして、俺たちは思い出を語り始める。

 それは辛くもあったが、懐かしさもあるものだった。



 


面白かった

続きが気になる

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