俺と義妹、お花見。
ジャンル別10位、ありがとうございます!!
ブクマ評価まだの方は、是非あとがきを参照の上応援よろしくです!!
目指せ、ジャンル5位!!
※すみません、ぼっち・ざ・ろっく、見てました。夜は一回更新で勘弁してください……(´・ω・`)
「おー、この公園の桜はまだ満開なんだな」
一足先に近所の公園へと向かうと、そこには懐かしい桜があった。
小さな頃はここでよく遊んだりしたもので、この木にも登って怒られた記憶がある。いま思えば危なっかしいことばかりしていたな、と感慨に耽ってしまった。
そうしていると、こちらにやってくる足音。
俺は涼香がやってきたのだろうと、本当に無警戒にその方向へ視線をやった。
「あの、お待たせしました……!」
「…………!」
すると、そこにいたのは桃色のフリルがあしらわれたワンピースを着た義妹の姿。肩口から綺麗な白い肌を露出した彼女は、恥じらいに頬を染めていた。
そんな彼女を一言で表すなら、可憐。
普段の制服や、コスプレ衣装とはまた違う趣があった。
なんだろう。いつもは可愛いという表現が似合うのに対して、この服を着た彼女は――綺麗、とでもいえば良いのか。それでも大人びている、という感じではない。
むしろ、大人になろうとしている少女、という表現が正しいように思えた。あまりにも初心でありながら、しかし隠し切れない美しさのギャップがとても良い。
「あの、義兄さん……? どう、ですか」
「に、似合ってる」
「えへへ、やったぁ!」
恥ずかしげに訊いてくる涼香に、素直な感想を述べる。
すると彼女は、いつになく子供っぽい仕草で喜ぶのだった。その時にワンピースがふわりと舞っていて、まるで桜の妖精のようにも思えてしまう。
などと、そんなポエムを口にしかけるほどに義妹は愛らしかった。
俺は乾きそうになった舌の根に唾を流し込み、誤魔化すようにこう提案する。
「と、とりあえずベンチに座らないか?」
「うん、座ろ?」
そうすると、てこてこ、と。
涼香は俺の隣にやってきておもむろに、その細い腕を絡めてきた。そしてこちらを見上げ、はにかむ。羞恥と歓喜が同居したようなその表情に、俺は――。
「ぐふ……」
「え!?」
思わずうずくまって、両手で顔を覆うのだった。
◆
「大丈夫? 義兄さん」
「あぁ、ごめんな。ちょっと、その……」
俺は大きく深呼吸をして、なんとか気持ちを落ち着ける。
桜の木の程近くにあるベンチに腰かけると、先ほどの緊張もいくらか和らいだ。そこになってようやく、俺は義妹に向き直って素直な感想を伝える。
「涼香、本当に綺麗になったな」
それは紛れもない、心からの言葉だった。
かなり緊張してしまうが、小さかった涼香の成長は正直に嬉しい。そんな想いを込めて告げると、彼女にも意図は伝わったらしい。
また小さく微笑むと、まだあどけなさ残る少女はこう言った。
「ねぇ、義兄さん。憶えてる?」
「憶えてる、って?」
「私が昔、見た目のことで近所の子にイジメられてたこと」
「あぁ……そんなこともあったな」
そして語るのは本当に出会ったばかりの頃のこと。
ハーフであるが故に、義妹が受けたいじめについてだった。
「あの時、義兄さんが助けてくれなかったら。私はきっと――」
そうして、俺たちは思い出を語り始める。
それは辛くもあったが、懐かしさもあるものだった。
面白かった
続きが気になる
更新がんばれ!
もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより評価など。
創作の励みとなります!
応援よろしくお願いします!!




