俺と義妹、二人きりの休日。
二度寝してしまったっす(*‘ω‘ *)
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「休日にどこも行かない、ってのも暇なものだよな」
「んー、そうですか? 私は意外とのんびりするの、好きですよ?」
俺と涼香はリビングで各々くつろぎながら、そんなことを話していた。
春も最盛期を終えて、桜の花も散りゆく頃合い。もしかしたら、早いところではすでに葉桜になっているかもしれなかった。そのような風情を感じる気持ちも、改めて大切だと思う。
それというのも、俺はいままでずっと野球漬けの日々を送ってきたわけで。
春先のこの時期にここまでフリーなのは、初めてなのだった。
「散ってるかもだけど、一緒に桜でも見に行ってみるか?」
それは、涼香も大差なく。
マネージャーにならなかった彼女は、基本的には家でのんびりすることが多かった。だから、俺はふと思いつきで涼香を花見に誘ったのだが――。
「それって、デートのお誘いですか?」
「ぶふっ……!」
それこそ、思わぬ反撃を喰らってしまった。
義理とはいえ、兄妹での外出をデートとは言わないだろう。しかし小首を傾げる無垢な少女に、そのツッコミをするのは気が引けた。
だから一つ息をついて、こう伝える。
「あぁ、デートだな……」――と。
すると、涼香がいるであろう方向から『ぼんっ』というような音がした。
何事かと思って振り返ると、そこには目を回している義妹の姿。
彼女はどこか蕩けた表情になって、こう言った。
「デ、デート……義兄さんと、デート……!」
「おい、大丈夫か?」
「は、はいぃ!!」
「全然、大丈夫じゃないな……」
こちらの指摘に背筋をピンと伸ばす義妹の様子に、俺は思わず呆れてしまう。
しかし、苦笑しつつもそんな彼女の姿が微笑ましくも思うのだった。
◆
――なお、これは余談だが。
「なぁ、涼香。まさかだけど、それで行くつもりじゃないよな?」
「え、駄目なんですか?」
「駄目に決まってるだろ!?」
涼香はあろうことか、メイド服のままで外出しようとしていた。
どうやら、あの一件以来この義妹はコスプレが趣味となってしまったらしい。俺はそのことに頭を抱えつつ、こう告げた。
「さすがにマズいから、着替えてきなさい」
「えー……こんなに可愛いのに?」
「可愛いから駄目なの!」
そう指摘すると、ようやく涼香は自室へ着替えに向かう。
俺は大きなため息をつき、ふとスマホにメッセージが届いていることに気付いた。
「ん? なになに……?」
差出人は義妹だ。
画面をタップして、俺はその内容に目を通す。
『せっかくですし、どこかで待ち合わせしましょう?』
するとそこにあったのは、そんな文面だった。
たしかに、デートと銘打ったなら、待ち合わせした方が通りがいい。――などと彼女の言葉に乗せられつつ、返信を送った。
『それなら、近所の公園で』――と。
そして俺はスマホを仕舞い、外へと出るのだった。
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