俺と義妹、関係を進めたい涼香。
第1章はここまで。
短めです!
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「気付いてくれた、かな……?」
涼香は窓の外、浮かぶ満月を見上げてそう呟く。
さっきの言葉は彼女にとって、かなり大きく踏み込んだものだった。もっとも、義兄が自分をあくまで義妹としか見ていないなら、意味のないことだけども。それでも、ほんの少しでもいい。考えて、悩んで、意識をしてくれたら嬉しかった。
貴方に助けられた女の子がいます。
貴方に救われた女の子がいます。
貴方に恋する女の子がいます。
本当は真っすぐに、そう伝えたかった。
だけど、それはどこかこそばゆくて、なかなか口にできない。
「うーん、義兄さんは鈍感さんだからなぁ」
そこに加えて悩みの種は、義兄の鈍さ、だった。
彼は決してモテないわけではない。昔から彼のことを慕う後輩は多く、中には恋をする女子生徒だっていたのだ。しかしそれに目もくれず涼香の傍にいたのは、実に義兄らしい。
そのことに安堵していた義妹だが、それがいま逆に自分を苦しめていた。
どうすれば振り向いてくれるか、と。
そんなことを考えて、寝不足になる日はたくさんあった。
「んー、やっぱり積極的に行くべき……?」
今日も今日とて、少女は思い悩む。
ああでもない、こうでもない。
鈍感な王子様を振り向かせるには、いったいどうすれば良いか。
ナース服も駄目だった。ネコミミも、駄目だった。
それなら――。
「うぅ……これは、少し恥ずかしいけど……!」
涼香は以上の二つと同時に購入したものを引っ張り出し、顔を赤らめる。
しかし、行くならこれしかない。
そう考えて、決意を固めるように。
彼女は胸の前で、小さく拳を握り締めるのだった。
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