列島震撼!!! 大怪獣体育祭!!!
「うわーにげろー」
逃げ惑う人々!
襲い来る大怪獣の群れ!
『ご覧ください、怪獣たちがスカイツリーに昇っています!』
『アクアラインを複数の怪獣が走っています!』
『富士山で怪獣たちが滑走しています!』
日本全土(ほぼ東京付近)で大暴れする怪獣たち。
自衛隊の攻撃をものともせずに暴れまわっている。
「総理! 総理! 被害が拡大しています!」
「分かってるよ、んもぅ」
次々と上がって来る被害報告に内閣はお手上げ状態。
住民の避難だけは何とか完了させたが、大暴れする怪獣たちに手が付けられないでいる。
「なにか有効な対策手段はないものか……」
「それが、総理。一つだけあります」
「なんだと⁉ 秘密兵器があるのか⁉」
「いえ、そんな都合の良いものはありません。
ですが総理が自ら対話を呼びかけることで、
怪獣たちも心を開くかもしれません」
そんなバカな話があるか。
しかし、このまま何もしないでいたら無任所だと揶揄されるに違いない。
なんとしてでも支持率の維持に努めるのが総理大臣としての責務。
「怪獣さん! お願いです! やめてください!」
ヘリに搭乗して拡声器で呼びかける総理。
しかし、怪獣たちは狼藉やめない。
「くそ、奴らは何が目的なんだ!」
「総理! 見てください! 怪獣が!」
怪獣たちは東京湾に集結。
いったい何をするのかと思ったら、楽しそうに泳ぎ始めたではないか!
「もしかして彼らは遊びにきただけでは?」
「そんなばかな」
「ですが、今のところ人的被害はゼロですし……」
「だとしてもこんなの許せるか⁉」
東京は壊滅状態。
沢山の建物が破壊されてしまった。
「怪獣たちが去っていきますね」
「あいつら、本当に何がしたかったんだ」
怪獣を見送る総理。
だがその後すぐに、自分の勇姿をネットで配信。
支持率の維持に努めた。
その後、怪獣たちが全世界から南極に集合。
全ての国家の主要都市が破壊しつくされたが、いまだに死者ゼロの奇跡。
怪獣たちは南極で握手をしたり、抱きしめあったりした。
どうやらお互いの健闘を称え合っているようである。
しばらくして、怪獣たちは空へと飛び立ち、宇宙へと帰って行った。
南極には沢山の怪獣のウンコが残されていたという。
怪獣のウンコからは地球には存在しない貴重な鉱物が含まれていると判明。
人類は新たな資源を求めて南極争奪戦を開始。
その過程で多くの人が犠牲になってしまった。
「怪獣よりもよっぽどたちが悪いな」
「ええ……まったく」