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邂逅の草原であいましょう
夕暮れ。
南西の空に一番星が輝き始める。
野草の葉が硬くなった秋の展望台に少女が一人。
彼女の名前は「びび」本当の名前はまだ知らない。
臆病な性格を笑った人間が彼女に名前をつけた。
呪いを掛けた。
びびは、一人だった。
標高の低い裏山の麓に生まれ育ち、花と動物を愛してた。
だが、彼女の周りに人はいても感心を持つ物は居なかった。
どこに居ても一人溢れてた。
常に寂しかった。
常に友人を探してた。
でも居なかった。
街の子供達に一生懸命に尽くした。
幼い手足は常に忙しく動かしていた。
彼女は足が遅く、手は不器用だった。
それでも彼女は愛を渡してた。
街の子供達はそれを笑った。
結果彼女はピエロに仕立てられた。
でも、ピエロにはなれなかった。