9/34
3の3乗 魔王と遊ぼう!後編
「ねぇ、おもちゃ作って。」
「はい?」
「おじさん、魔王なんでしょ?おもちゃ作ってよ。ダメかな?」
俺は可愛らしく、甲高い声で、そして相手の心を奪うようにお願いした。これこそ子供にしか使えない必殺技『可愛いおねだり』だ!
「えっえっと...」
俺の読み通り魔王は困っている。さすが俺だ!伝説の魔王を俺の虜にしてしまった。
「わ..わかった。お前のおもちゃを作ってやろう。何が欲しい人形か?」
作戦大成功!これで部屋の中にいても遊ぶことができる!
「剣。剣のおもちゃが欲しい。」
なんとも可愛らしいおれ。男の子なら、おもちゃの剣に憧れるのは当たり前だ。
それを作ってくれるなら、俺としては願ってもない。
「わかった。いいだろう。俺に不可能はない!」
その時だった。グサッ
魔王になんか白い剣がぶっ刺さった。あれ?魔王って強いんじゃないの?
「うわぁぁぁぁぁ」
彼は大声で叫んだ。
俺はどうしたらいいんだろう。