thirty-one まさかの弟子!?
「僕を弟子にしてください。」
「・・・」
突然そんなことを言われる俺。
そんなこと言われるなんて予想もしていなかったので、俺の頭は混乱しかけていた。
はぁ?なんで俺に弟子入り!?
おかしくね?普通弟子入りなるならヴィリアとかシュナとかに頼むでしょ!
そもそも俺のあだ名ってaクラスの劣等生でしょ?
なんで俺なんだよ。てか普通に嫌なんだけど!!!
「ダメですか?」
俺の前にいる少年は半泣きになる。
やめろその顔。なんかなんでも許しそうになるから..!
「えっ?いや...
あの色々聞かせて?まず名前はなんて言うの?」
「ロンです。」
「クラスは?」
「1-hです。」
「魔力量は?」
「80でした。」
「弟子入りって魔法を学びたいってことか?」
「はい。」
「どうして俺なんだ?」
俺がその質問をすると、彼は首を傾げた?
「どうしてそんなこと聞くんですか?
ラインさん以外にいないじゃないですか?適任。」
その言葉を聞いた俺は、はぁ?と思った。
「なぜ俺以外に適任がいないと思うんだ?」
俺は溜息をつきながら言う。
「だってラインさんがこの学園で1番の実力者じゃないですか?」
「・・・・・」
ますますわからん。なぜこの少年は俺に弟子入りするのだろう?
「お前なぁ、俺のあだ名知ってるか?aクラスの劣等生だぞ。」
正直面倒くさいことになった。俺はどうやってこの少年を振り切ろうか。
そう考えていると、少年は言う。
「aクラスの劣等生って、ラインさんが実力を隠してるだけですよね?」
俺は首を傾げて返す。
「なぜそう思う?」
「信頼出来る人物から聞きました。」
いや誰だよ!とは思ったが、どうせ噂話が広がっているだけだろうと聞き流した。
「悪いが、俺はお前に何かを教えられる程の実力がない。他を当たってくれ。」
俺はそう言い残して、この場を去ろうとした。しかし、彼のある一言で俺は足を止めた。
「ユナ先生を圧倒したのにですか?」
少年は首を傾げて聞く。
俺は振り返る。
「おい、ちょっと待て。それはどこ情報だ?」
「言ったでしょう。信頼出来る人からです。」
信頼出来る人って本当に誰だよ。俺がユナ先生と戦ったのを知っているのなんて、俺かユナ先生しかいないし...
俺かユナ先生?
「まさかあの女...!」
俺がそうつぶやくと、少年は俺が何かを勘づいたのに気づいたのか、笑いながら言う。
「どうでしょう。今なら僕に口封じできますよ。」
こいつ策士だ。俺に対して脅しを使ってきやがった。
「・・・。ったく、しょうがねぇなぁ。今日だけだぞ!」




