第30話 いよいよ突入!冬休み。
今日は楽しい終業式。
めんどくさかった学校生活が、一時週末を迎える日。
おれは、冬休みは何をしようかなと、心を弾ませながら学校へ向かう。
「ライン。なんだか機嫌が良さそうだね。」
隣にいるシュナが俺に話しかける。俺は今年1番の笑顔で返事する。
「そりゃ今日は休みに入る前日だよ。上機嫌にもなるさ。」
「ラインって、なんでそんなに休みが好きなの。友達とも会えなくなるのに...」
「だってどうせ1ヶ月経てば、また会えるじゃん。それに俺、なんかaクラスに嫌われてるっぽいから、あんま友達いないし。」
俺は笑顔で凄い悲しいことを言う。これじゃあガチのぼっちみたいじゃん。
一方シュナはそっと黙り込んだ。ちょっと俺に同情してるっぽい...?
まあ、そんなこんなで、俺たちは学校へ歩いていた。
学校へ着くと、すぐにホームルームを済まし、終業式が行われる。
俺たちは、約1時間くらい、校長先生の話や、そのほかの先生の話、冬休みの注意事項を聞き続けた。
退屈だ...
どうやらどの世界も、校長先生の話が長いのは共通らしい。
で、その後は直ぐに放課後。
この学校の人はみんな貴族だから、あまり休みに遊ぼうという話は上がらない。
大半の人は、自分の領地へ帰るのだ。
もちろん親と色々あったり、領地を持たない貴族もいるので、学校に泊まり続ける人もいる。
ちなみに俺は、数年前から王都にある屋敷でメイドと
2人で暮らしているので、実家に帰るつもりがない。
というか、過去に色々やらかしているせいで、あまり親が好きではないのだ。
シュナと歩いて登校しているのはそれが理由でもある。
一応言っておくが、シュナは、土地を持たない貴族なので、いつもは王都の中の家で、両親と共に住んでいるそうだ。
まぁ、理由はさておき、俺はこの冬休みの間、王都にて、ゆっくりだらだらと過ごすつもりだ。
というわけで、俺は鼻歌を歌いながら家に帰る。
シュナは用事があるらしいから、俺は1人で帰っていた。
はぁ、なんと素晴らしい日だろうか。
俺が門をくぐると、見知らぬ男の子が俺に声をかける。
「ねぇ、君、ラインだよね?ライン・ガ・ゲルド。」
男の子は震えた声で喋る。
外見は少し幼く、うちの学校の制服を着ていて、黒い髪に赤い目。
ショタ系男子だな。
俺は心の中でつぶやき、返す。
「そうだけど、どうかしたの?」
するとその男の子はすごい緊張しながら言う。
「あの...僕を弟子にしてください。」
「・・・・・・」
はぁ?




