肉話 魔法トーナメントに出場することになりました。
「はぁ?」
クラスのほとんどの人が、俺の名前を聞いて切れた。
「ふざけんなよ!なんでラインなんかが!」
「こんな雑魚がどうして選ばれるわけ?」
「俺の方が何倍もつえぇよ!」
みんな先生に対して文句を言う。
ほぼ全員が俺を雑魚だと思っている。
どうやら、この3ヶ月でクラス内の印象操作は上手くいっていたようだ。
しかし..........
容赦ねぇなぁ、コイツら。流石に傷つくぞ!
生徒のみんなは止まらない。
全力で俺の暴言を吐き続ける。
まぁ、俺はそれを目指していたからいいんだけど。
「うるさい、黙れぇぇぇえ!」
先生は叫んだ。
さすが学校の先生だ、彼女が叫ぶとみんな黙る。
俺はちょっと前世をの記憶思い出して、涙ぐんだ。
昔は体育の先生とかによく叱られたものだ。
先生は喋り出す。
「言っただろ、ただの埋め合わせだと。別にクラスの上位者が出なければならないわけじゃない。
それに、最後の一人の指名権はあたしが持っるんだ。文句を言うなら、それなりの罰を受けて貰うぞ。」
みんな何も喋れなくなり、俺を睨んだ。
俺は悪くねぇだろ。
だが、このまま俺が埋め合わせとして出場させられるのも厄介だな...
他の生徒がダメなら、俺が意義を申し立てよう。
「あの、先生...」
「黙れライン。お前の発言権はない。」
俺は発言することさえ許されなかった。
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その日の放課後、俺はユナ先生の所へ行った。
「ユナ先生、失礼します。」
俺は扉を開けて、ユナ先生のいる教室に入る。
「お前に拒否権はないぞ、ライン。」
先生は俺を睨んで言う。
くそっ。何しに来たのか、察してやがる。
「あの先生。なんで俺なんですか?」
俺は質問する。すると、びっくりする答えが帰ってきた。
「罰ゲームだ。この間授業サボったろ。あの時の罰だ。」
あの時?あぁ、ヴィリア騒動の時か。
・・・・・
え?だとしたら時間、開きすぎじゃない?
しかも魔法トーナメントなんて、ご褒美じゃん。
普通だったら。
「あの、それ罰ゲームになってますか?どちらかと言うと、ご褒美なんじゃ...」
俺はしっかりと指摘した。
しかし、先生は俺の事をよく知っていらっしゃる。
彼女は、俺の指摘の後、
「なら、お前は魔法トーナメントに出れて、嬉しいか?そんな訳ないだろ。お前は面倒事が嫌いな上に、本当の実力を隠しているんだからな。」
と、正論をぶっぱなした。
いやぁ、何も言えない。
俺、生きてる年数だと本当はユナ先生より長いんだけどなぁ。
口論になると必ず押し切られる。
何故だろう?
「分かりました。聞きたいことは聞いたので帰ります。」
そう言って俺が部屋を出ようとした瞬間、先生は俺を止める。
「あぁ、そうそう。お前、初戦で手を抜いて負けようなんて考えるなよ。」
その警告に俺は、はぁ?と思う。
てか、俺が本気を出したら、会場ふっとぶぞ。
「どうしてですか?」
「お前が、入学後も手を抜き続けるから、学校のお偉いさん達も、あたしとお前を疑い始めてんだ。元々、あたしの言葉を信じているやつも少ないしな。お前がここで本気を出さないと、お前をaクラスに推薦した、あたしの首が飛ぶかもしれない。だからお前には本気を出して貰わないと困るんだよ。」
なるほどな、それで俺を魔法トーナメントに推薦した訳だ。
「ユナ先生。それはあまりにも自己中じゃないですか?あなたの首が飛ぶって...
そんなの自業自得じゃないですか。
そもそも俺をaクラスに入れなければ良かっただけの話なのに...
俺が知ったことではありませんよ。」
「確かにあたしの自業自得かもな。だがな、全ての発端はお前だ。だから無理やり、お前に尻拭いをさせることにした。」
んなめちゃくちゃな!
何だこの先生。教員なんて辞めちまえよ。
「俺は本気なんて出さないですよ。」
「いや、出すことになるさ。きっとな。」
俺はユナ先生のいる部屋を出る。
なんであの先生は、毎度俺に絡んでくるのだろうか?
しつこい女は嫌われるぞ。
俺は心の中で先生の愚痴を言って、シュナと家に帰った。




