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魔王倒しちゃった  作者: ダンディー
4章 闇の渦巻く魔法祭!
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2八話 魔法学校の魔法祭!

あれから1ヶ月の月日が経った。


俺はと言うと、いい感じに陰キャ生活を送れている!というわけでもなかった。


この間までは腹黒公子しかいなかったのに、ここ1ヶ月はヴィリアがずっと引っ付いてくる。


まぁ、別にいいんだけどさぁ...


ヴィリアって、実は侯爵家の娘らしいんだよね。


公爵家の息子と、侯爵家の娘。


そんな大物達に挟まれている俺。


目立たないわけがない。


「ねぇ、ライン。ずっと気になってたんだけど、なんでいつも魔力を偽るの?ラインなら、軽く学園1位なんて取れるのに...

私にも口封じさせるし。」


ヴィリアは俺に質問する。


「軽く学園1位を取れるほどの実力があるから、隠してるんだよ。

優秀な人って何されるか、わかんないしね。

その反面、ヴィリアにはいつも驚かされるよ。」


俺は返す。


「まあね。」


ヴィリアは笑う。




そもそも、魔法とは何なのだろうか?


この質問に対しての答えは簡単だ。


ゲームの仕様みたいなもの。


というのが、1番わかりやすい言い方だろう。


MPと呼ばれるものを消費して使う、攻撃手段。


それがこの世界で言う魔法だ。


では、そのMPと言うのはどこから来るのだろうか?


この質問に対しての答えは難しい。


とても複雑だからだ。


この世界の人には、ふたつの種類が存在する。


マジックコアを持つものと、持たないものだ。


マジックコアとは、魔力の源、要はMPを生み出すコアのことを言う。


これを持っている人は魔法を使え、そうでない魔法を使えない。


このマジックコアから生み出されるエネルギーを使って人は魔法を使うのだ。


ちなみに魔力量とは、マジックコアの大きさや強度を示した数値で、当たり前だが、魔力量が大きければ大きい程強力な魔法を使えたりする。


例えば、シュナの魔力量は2000。


平均の10倍だから、普通の魔法使いの10倍の魔法を使うことが出来る。


また、ヴィリアの魔力量は、まだ言ってなかったが、実は10万もある。


つまり、ヴィリアは、普通の魔法使いの500倍の魔法を使うことが出来る。


人間では、ほぼありえない魔力だ。


ちなみになぜ、ヴィリアがこんなにも強力な魔力を持っているかと言うと、俺のミスだ。


普通、マジックコアは、その持ち主と結びついているため、他人に渡しても融合しないし、自分に帰ってくる。


だから、呪いを追い出す時、ヴィリアにマジックコアを普通にぶちこんだんだが...


何故か、俺の渡したマジックコアが、ヴィリアのマジックコアと融合してしまって、俺に帰ってこなくなってしまったのだ。


ヴィリアから返してもらうにも、既にヴィリアの魔力になっていて、俺じゃあ操れないし、ヴィリア本人も、マジックコアの操作など、練習したことがないらしいから、返してもらう方法がない。


悪いことしたなぁとは思う。


しかし、こうなってしまえば、もう仕方ない。


俺はヴィリアへ行ってしまった魔力を、既に放置していた。


ヴィリアも納得しているし、なんなら少し嬉しそうにしている。


まぁ、あれくらいの魔力だったら、無くなったところでどうってことないし、ヴィリアもそれで喜ぶんなら、文句はないな!


まぁ、なんだかんだで、魔法の原理について喋ったが、やはり簡単にすると、ゲームで使うやつと同じだ。


だから、ゲーム感覚で認識してくれるとありがたい。


そんなこんなで、俺とヴィリアは最近よく一緒にいて、よくしゃべっていた。






_____________________






ある日の昼休み、セリヌスは俺に話しかける。


「なぁ、ラインは魔法祭、どの種目に出るの?」


冬の寒い季節。この世界は日本と違って秋から学校が始まるから、そろそろ冬休みが来ようとしている。


そして、その冬休みがあけると、魔法祭という学校行事が開かれる。


「そっか。1ヶ月の長休みあけたら魔法祭だもんね。いつ種目決めるんだっけ?」


「今日だよ。午後。もうすぐ。」


「え?まじで!?何も考えてないんだけど...」


「先生の話はしっかり聞こうね。」


セリヌスはニヤニヤしてこっちを見る。


ほっとけ。


俺は目線をずらす。


「そういやせりヌスは、魔法トーナメントに出るんだもんなぁ。いいなぁ、悩む必要もなくて。」


「別に決まった訳でもないけどね。」




魔法祭。


それは魔法学校で年に1度行われる、伝統行事。


現代世界にある、体育祭の魔法版みたいなもので、学校内で3つのグループに別れて競い合う祭りだ!


ちなみに俺が言った魔法トーナメントというのは、この魔法祭の目玉競技だ。


それぞれのクラスから、成績上位者を3名選抜してトーナメントを行う、というもの。


まぁ、このクラスって、そもそもが、実力でクラスを分けてるから、いつもaクラスの誰かが勝つんだけどね。


ただ、3学年合同でやる競技だから、たまに下克上とかが見られておもしろい。


まて、セリヌスはこの学校の次席だ。ヴィリアが来てから、3番目の実力者になったけど、魔法トーナメントに出る条件が揃っている。


だから、彼は既に出場する競技が決まっているのだ。


それに比べて、誇ることではないが、俺はaクラスの中では、最底辺の成績を持っている。


要は自分で魔法祭で出る種目を決めないといけないのだ。


「んー。何に出るのがいいかな?」


俺はセリヌスに相談する。


「そんなこと僕に聞かれても...

ラインってaクラスなのに全部平等にできないじゃん。まぁ、やろうとしてないだけかもだけどね。」


そうだなぁ。


言われてみると、俺ってだいぶ不自然だな。


fクラスに落ちたいばかりに、ちょっと手を抜きすぎたからだと思うが、最近実は俺について変な噂がたっているのだ。


実は力を隠している説とか、実は湖丸ごと吹っ飛ばした説とか...


だいぶ厄介なことになっている。


元々aクラスの劣等生っていうあだ名だったのに、今では裏世界の優等生とか呼ばれだしている。


何故かは知らんが、ここ最近俺の評価が逆転しているのだ!


とにかく、それらをカモフラージュできるように、この魔法祭で挽回できる競技に出たい。


俺はそんなことを考えていた。


「お前ら、席につけ!」


ユナ先生が教室に入ってくる。


それと同時にみんな席に着いた。


昼休みは終わりだ。


午後のホームルームが始まる。


「事前に伝えていた通り、今日は魔法祭の競技決めを行う。今から競技一覧を書くから、よく見て、考えていてくれ。」


そう言って彼女は魔法で文字を表示し始めた。


様々な競技が箇条書きになって表記される。


俺はその中から、汚名返上できるような競技を探していた。


全て書き終わると彼女はまた喋り出す。


「もう知っていると思うが、魔法トーナメントは、クラスの成績上位者が出場することになっている。

シュナ・ロインズ・アロス、

ヴィリア・エルムート・シュタイン、

セリヌス・ヴォル・ラモス。

この3人はこのクラスの上位3人として、今回の魔法トーナメントに出場することになった。」


うぉぉぉ。


と、周囲から歓喜の声が上がる。


そりゃ3人とも、色んな意味で人気者だからな。


俺なんかが喋る権利なんて、普通は無いのだ。


「さて、俺はどうするかな?」


俺はボソッと呟く。


すると先生は俺を睨む。


そして、再び喋り出す。


「それともうひとつ。この魔法トーナメント、実は今年、トーナメントを組むのに、1人あまりが出るんだ。

別に1人、不戦勝のやつを作ってもいいんだが、相談すると、試合は平等ではなくなる。

ってな訳で、もう1人このクラスから、埋め合わせとして選手を出すことにした。」


クラスが一気にざわつき始める。


誰がなるんだろ。そんなつぶやきが聞こえてきた。


今選ばれた3人と他の人達では、実力がかなり違う。


しかも、余った人達の中では、あまり実力に上下がなく、皆同じくらいに魔法を使える。


ほぼみんなが自分は選ばれるかな?と考えている状態だ。


俺は俺で、誰が4番目に選ばれるんだろうと、気になっていた。


もちろんこの人かな?といった目星はある。


しかし、確証はない。


俺は静かに先生の話を聞く。


周りの声も次第に静まる。


次に先生は言葉を発した。


しかし、その言葉には信じられない名前があった。


「ライン・ガ・ゲルド。お前だ。」







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