十6話 始まりましたバトルです。
「コールドビート」
ユナ先生は空中に数百本の氷のトゲを一瞬でだし、俺に向かって発射した。
んなアホな。この女躊躇なく魔法を打って来やがった。くそっどうする。だがここで魔法を使わなきゃ、やられる!俺は自身の周りにバリアを貼って対処した。
「ほぉこれを止めるか。それは予想外。」
彼女は軽い口調で言う。
こいつ。ぶん殴りたい。
そう思っていると、いつの間にか先生の姿が消えていた。
うしろだ!
ユナ先生は俺に格闘技を繰り出してくる。しかも凄いスピードで。魔王の力をそのまま持っている俺はその攻撃を簡単に受け流せる。ただ、それを実行に写しながら考える。
このままやられっぱなしも嫌だなぁ。
もうバレてるんだったら、思いっきりやるか。
「ルームワープ」
俺は小声でつぶやき、先生の後ろへ瞬間移動した。
「なっ。消えた!?」
ユナ先生は驚いている。
反撃の隙は与えさせない。
「エンチャント」
俺が叫ぶと俺の体に紫色のオーラが纏い始める。
そしてそのまま俺は先生を殴りまくった。
エンチャント。それは身体能力を極限まであげる魔法だ。
これを使うことで、俺は1秒間に5回のパンチを繰り出せる。
先生もさすがに反撃をするほどの余裕はないようだ。
「これで最後だ!ファイヤーボール!」
俺は彼女を殴り続けながら、空中に炎の玉を作り出し、ゆな先生に高速で発射した。
彼女はさすがに焦る。と思っていたけど、静かにつぶやいた。
「タイム。」
気づけば俺は先生の前でぼーっと突っ立っていた。
「お前。バケモンか。」
しばらくの沈黙のうち、先生は口を開けた。
てか何が起こっているんだ?夢?嫌だとしたらいつ寝たんだよ。
「あたしには家系魔力があってな。時間を巻き戻すことが出来るんだ。まぁ、巻き戻したところでみんな記憶は維持されるけどな。」
「.それで俺に容赦なく即死級の魔法を売ってきやがったのか。」
いや、ダメだこれ。ガチでムカつくこの女。
そう思っていると、彼女は言う。
「だが今のでわかったろ。あたしすら圧倒するんだ。この国でお前に勝てるやつはいねぇだろうよ。お前はaクラス確定だな。」
あーもう最悪だ。ってかこの先生割と強かった。何者なんだ?いや、そんなことよりも、
「今見てわかったでしょ。あんたの言った通り俺はこの国で最強。いや、全世界で最強の自信がある。だからこそ、この力を隠したいんだ。頼むよ。俺をfランクにしてくれ。」
俺がそう頼みこむと、先生は無言でこの場を去った。
あぁ。だめだなこりゃ。




