エールを贈る
ボケ(以下、ボと略す)
ツッコミ(以下、ツと略す)
ボ「はい、どうも、ボケです」
ツ「ツッコミです」
ボ「二人合わせて漫才コンビです」
ツ「何でやねん」ツッコミチョップ
ボ「何でも何も、漫才に来たらそれでええんちゃう?」
ツ「間違ってはないけど、キチンとしたコンビ名にしようや」
ボ「安い、器用で、やすきよ」
ツ「アホかい! 畏れ多い名前にすな」
ボ「じゃあ二人ともマヨラーやから、ホワイトマヨネー……」
ツ「それ以上は言わんでいい」
ボ「下らない漫才コンビやから、ダウンダウン」
ツ「思いっきり攻めたな」
ボ「じゃあ、人気者のポピュラー(パイナップルを持つ手付き)と平和のピース(ペンを持つ手付き)でP&Pなんて、どうや?」
ツ「その手の動きは何なん?」
ボ「ペン(ジェスチャー)とパイナッポー(ジェスチャー)」
ツ「リンゴとハチミツ混ぜるか?」
ボ「ペンパイナッポーアッポーハニー」
ツ「やらんでいい」
ボ「そういう訳で、ポピュラーとピースのP&P」
ツ「そこはかとない、島田さんを思い起こさせる名前やな」
ボ「つつじ饅頭!」両手でツツジを表現するジェスチャー
ツ「突然、何? てかそれ広島銘菓のギャグだよね?」
ボ「ノンノン」指ワイパー
ツ「いや、ノンノンちゃうで」
ボ「福井県鯖江市の銘菓、つつじ饅頭を広報するギャグです」
ツ「手の動きが、モミジを連想させたけど?」
ボ「ツツジの花です」両手でツツジを表現するジェスチャー
ツ「モミジにしか見えん」
ボ「モミジは、こう」両手でモミジを表現するジェスチャー
ツ「うん」
ボ「ツツジは、こう」両手でツツジを表現するジェスチャー
ツ「違いが分からん」
ボ「葉っぱと花で、明らかに違います」
ツ「似過ぎてるんやな」
ボ「金型をモミジ饅頭で有名な広島の業者が作ってくれたからな」
ツ「いやそれ、どうなん?」
ボ「どうも何も、ボクの中のつつじ饅頭を応援する気持ちが、つい先走っただけや」
ツ「応援ねぇ。応援と言えば、朝の連続ドラマのエールがいいですね。皆さんにエールを贈ろう」
ボ「エールを送る言うたら、ケータイから」
ツ「そら、メールや」
ボ「女の人が顔を覆う」
ツ「そら、ベールや」
ボ「電車が走る」
ツ「レールや」
ボ「僕らの漫才も決められたレールの上を走るだけです」
ツ「やかましわ! エールや、エール」
ボ「航空会社のね」
ツ「もうボケんで、ええから」
ボ「では真面目な話、麦と水に酵母を混ぜて醸造されるエールは、中世イギリスでは純粋な飲み物として王侯貴族が飲むものでした」
ツ「純粋って、不純物が混ざったような飲み物があるんか?」
ボ「よくぞ聞いてくれました」
ツ「急に、何やの」
ボ「エールにホップなどの香料、つまり不純物を混ぜることにより、ビールに変わります」
ツ「へえ」
ボ「不純異性交遊から、生まれるのがビール」
ツ「あかん! それ以上は言うたらあかん!」
ボ「人に黒いラベルを貼るのは、やめて下さい」
ツ「黒いラベルって、誰が巧いこと言えと」
ボ「こういう大変な時だからこそ、ボクは皆さんを応援したい」
ツ「ええこと言うね」
ボ「だから、エールじゃなくてビールを送りたい」
ツ「ビール?」
ボ「ピラミッドの建設現場でも飲まれていたビール。これで疲れを癒やし、明日からも頑張って頂きたい」
ツ「苦い思い出も飲み干そうってか」
ボ「もっと超辛口で批評して下さい」
ツ「その口、辛口、スーパード……、いや何でもない」
ボ「おや、エントリーですか?」
ツ「ちゃうちゃう。ところで銘柄って選べるの?」
ボ「いえ、既にビールの銘柄は決まっています」
ツ「どこ?」
ボ「キリンが来る」
ツ「もうええわ」
二人「ありがとうございました」
エビス顔で終了