入院
初夏の暮れがたは
外は明るいまま
室内ばかりが暗くなる
明かりを灯しても
まだ昏い
心に迫る闇は
あなたの不在
二階に物音求め
キッチンラジオも黙す
脈が気になる
週明けには帰って
庭で過ごそうよと
言葉を取り交わしても
決定権はない
入院ということ
ウイルスのせいで
面会もできず
夜が長いねと
ふたり肩を落とす
絆
でもまだあなたを感じる
この世に存在し
私を愛している
想いに包まれている
手応え
私のオーラも飛んでいけ
病床ごと点滴ごと
抱きかかえてみせる
心細さも死の恐怖も
あなたとともに