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僕と彼女の秘密

作者: 箱

僕は知っている。あの子のことなら何でもね。


好きなミュージシャンは愛くるしい顔に似合わないマキシマムザホルモンなこと。長い黒髪に隠れているけど実はツーブロックを入れていること。4日前から夏服に切り替えたこと。昨夏のお気に入りだった胸元が大胆に強調されたVネックTシャツを今も持っていること。一人暮らしの家のカーテンを開けないポリシーがあること。実家にはもう2年、帰っていないこと。趣味は屋内植物の栽培なこと。あの子の家には緑が溢れかえっていること。匂いに気を使っているようで、毎日5回は部屋に消臭をかけていること。悲しい映画を見ると自分のことのように号泣してしまうこと。NHKの朝ニュースでさえ爆笑しながら見てしまうほど、笑いのツボが浅いこと。あの子が僕のことを知らないことだって知っている。


「向かいのアパート2階に住んでた女性をご存知ですか?」

「いや、知らないです。どうかしたんですか?」

「実は今朝大麻の大量栽培で捕まったんですよ、彼女」

「そうなんですか」

「アレ?驚きませんでしたか?」

「いえ、ショックですよ」


あの子が大麻を栽培していることは、僕とあの子の秘密だったのに、裏切られてしまった。あの子が出所したらどこで暮らすのか、また調べなきゃいけない。それまでにカメラの腕を上げとかなきゃだな。あぁ、忙しい!忙しい!

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