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死にたがりの天使様  作者: Weiß (ヴァイス)
Prolog
2/2

僕、観察者







いつもと何も変わらぬ、穏やかな日常


朝6時半に起きて、顔を洗い、朝食をとる


存外のんびりしてしまって、慌てて高校へ向かう


9時には授業が始まり、4時頃に放課


HR終了後すぐに帰宅する者、部活に励む者、バイトに勤しむ者、教室でいつまでも残って喋っている者……


大部分の人は今日も平凡で、当たり障りのない1日を過ごすのだろう




その日常の一部である今日も、彼も、いつも通り教室の隅でひとり過ごしていた


ずっと話していられるような友達がいる訳でもなく、ただここにはいじめをする様な勇気のあるやつもおらず、仲間外れにされている訳でもない


話しかけられれば話すし、別に無愛想な訳でもない


良い意味でも悪い意味でも目立つ所が無い


物語で言うところの【モブ】と言うのが表現としてはあっているかもしれない


しかし今、これだけ彼に話題が向いていると言うことは物語に少しでも関わっていく人物であるからだろう


そこらの【モブ】と何が違うのか?と問われれば思い当たるのはひとつだ


''興味のある事には貪欲に追求すること'' である


しかしながらその好奇心は外からは見えず、いつも通りにしか感じられない


“努力”も“好奇心”も“必死さ”も“情熱”も、彼から溢れることは無く、他者に全く感じさせない


いや、この場合は“感じさせてくれない”なのであろうか?


【モブ】であるが故に他からの認識が薄いのか、目立つ事を避けたから【モブ】になったのか、それは一件同じに思えるがかなり違う


前者ならただの本当の【モブ】であり、後者なら非常に計算高い男である


2つとも違うなら...相当の天然なのか?


それによって物語が良い方向、悪い方向、どちらに向くかはまだ誰も知る由もない








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ある日常の昼休み


今日は気候が穏やかで、窓側の僕の席は日向ぼっこにぴったりだった


久しぶりの雲ひとつない晴れ模様


それを中庭で満喫している人達


僕は最近生きる意味を探す目的として、''普通の高校生''の人間観察をしている


その観察にもこの環境は味方してくれていた





またあの天使様が告白されているのが教室の窓から見えた


物語に一人はいるモテモテな学校の人気者



みんながみんな、残酷な天使と仲が良い訳では無いから、やはり容姿がその原因を作っているのだと思う


一見孤高の存在に見える天使


しかし彼女は優しくもふにゃりとした人懐っこい笑顔で、男子生徒だけでなく女子生徒をも虜にした


風に揺られふわりとした柔らかな茶色の髪と、


色素が薄く、どこか哀しさも含んだとても惹き付けられる瞳



すらっとした手足がつき、


女性らしさの象徴は程よい肉付きで可憐さが増し、

より一層彼女を引き立たせていた




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そんな言われ方も耳にしたことがあるが、


本人は一体どう思っているのやら




まあ、今の僕には全く関係の無い事である





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