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最弱剣士のストラテジー  作者: 零式
8/9

プールの中での出来事

夏休み中に書けたぞー

今回は水着回、楽しんでクレイ

なっ何なんだここは、天国!

小さい野原の丘には雨風しのげるマイホームがあり朝、昼、晩と食事ができる。

ああ、それに仕事もあるなんて最高だ。

丘の上には女の子がいて洗濯物を干している。

しかし洗濯物の陰に隠れていて、顔が分からない

やっぱり、ボクの妻が一番かわいいな~

風にあおられて真っ白に洗われた洗濯物が暴れる

それを抑えようと丘の上の彼女は、洗濯物が揺れている方向に立ち顔を埋めながら

両端を持っている。

しかし、洗濯物は物干し竿からペロッと彼女の方へと捲れてしまう。

突然、視界が暗闇に襲われ驚いたのか

両腕をブンブンと振り回しながら焦りながら走り出す。

それさえも長くは続かず干し竿の柱に激突してしまい、頭に手を当てて痛がっている

なんて可愛いんだ

ボクの望むモノの全てがここにある、

               ボクはやっと幸せを手に入れたんだー。

「おい」

おーい、今帰ったよー

そう叫びながら走り出すボク

「おい」

なんかスゲー暑いな

そう思いながら駆け上っていると目の前で異変が起こった。

家から火が上がり、どんどん灰になっていくのだ。

丘の上にいた妻を助けようと炎へと飛び込む

炎に包まれると意識が朦朧としてきた。


「起きろーーーーーーーー⁉」

「うわー!」

いきなり何だ?

あれ?、、、、、夢だったのか

「起きろって言ってるでしょうが」

最騎は首根っこを掴み投げ飛ばされる

「痛ー」

「何なんだよ、さっきから耳元で叫んで」

「昨日は徹夜だったんだ静かにしてくれ」

そういいながら、蒸し暑い部屋へと倒れ込み

睡眠によって、暑さからの脱出を図ろうとする。

仁王立ちになっている赤髪の少女は最騎の頭擦れ擦れに真上からパンチを入れる。

その床には小さくだがヒビが入り、少女は笑顔になり話を続ける。

「それで、なにか言いたいことでもあるの」

「、、、」

「いえ、今起きようと思って居た所です」

「居間に降りてきて、さっさとね」



本当に夏樹が引っ越してきて、最初はドギマギしていたが、

2~3週間が過ぎて一応は落ち着いてきた。

「それで何なんだよ」

そう言いながら夏樹の方を見ると、大きな荷物に弁当と思しきモノ

などを入れて、何かの支度をしてるようだった。

「おそい」

ドアを開けて居間へと入って来た霧川は一言文句をボクに言うと玄関へと言ってしまう

その後ろ姿は夏用の制服を着てパンパンに膨らました浮き輪を腰まで通し、

それを両手で押さえている姿だった。いわゆる小さい子供浮き輪を装着してる時の恰好

で、スカートは少しめくれていた。

「ということでプールに行きます」

やっぱりか、寝たいんだよな

「そうか、行ってらっしゃい」

「あなたも行くのよ」

「どうして、それに夏樹はボクのこと嫌いでしょ」

「だって、どこにプールがあるのか分からないもん」

「連れてって」、、、、「それに嫌いだなんて言ってないし」

彼女は笑っていたが、案内をしないとただで置かないというような気迫が伝わってきた。

それとなんか呟いていたような、、、

「分かったよ、行けばいいんでしょ」

「さすが分かってらっしゃる」



「なんて高いんだ!」

「水着1200円だと」

「入場料なんて1800だぞ」

「あ~バイト代が消えていく~」

でもな~プールに入らないと、何されるか分かったもんじゃないし

仕方ないか

「何やってるのよ、早くしてよ!」

「最騎はホントどんくさい」

二人とも無理やり連れてきたくせに文句を言うし

出費は多いし、今日も運が悪いらしい

「で、どうすればいいの?」

「何が」

「プールで遊んだことないって言ったでしょ」

「ああ、そうだった」

「あそこの更衣室で着替えたら入口に行って」

「そうしたら近くで待ってるからから合流できると思う」

そういいながら女子更衣室の方に指をさす

「分かった、きっちり待ってなさいよ」

「へいへい」

適当にあしらいながら更衣室へと向かう


直ぐに海パンへと着替え待ち合わせ場所へと向かう

そして、女子更衣室入口の真横に壁に背を預けながら待つことにした。

「まだ出てきてないよな」

流石に早かったか

それにしても案内役としてでも夏樹がボクをプールへと誘うなんてな

少しは好意を持ってくれたってことなのかな。

戦う前よりも話しやすい気がするし、夏樹は自分を変えようとしてるのかも

それなら微量でも力になれたら嬉しいな

「なんだか遅いな20分は経ったよな」

それに長い間、更衣室の近くに立ってるから

不審者だと勘違いされてるのか女性からの視線が痛い

「やっと見つけた」

人ごみの中から声がするので注意して探してみると

霧川がワンピース型の水着を着て現れた。

「おお、来たか」

目の前まで来て、目で何かを訴えて来る

「どうしたんだ?」

「、、、、」

そういえば忘れてた

こういう場面に言わなきゃいけない言葉があった

「霧川、水着 似合ってるよ」

なんかこういう言葉を言うのは恥ずかしいな

「、、、そう」

「それよりも夏樹はどうしたの?」

「水着姿に恥ずかしがって出てこない」

「落ち着いたら合流するから遊んでてって」

夏樹はなにしてんだ

自分着ることが分かっているのに恥ずかしくなるような水着をかうなんて

なら、先に遊んでるか

「じゃあ行こうか、そこの流れるプールなんていいんじゃないの」

「そうね、」

もうすぐ一ヶ月なのに「霧川さん」たら一㎝も心を開いてくれないし

無口だし、夏樹が引っ越してきて無音の気まずい空気は何とかなったけど

これからのことを考えるとどうにかして仲良くならないと

「どう、楽しい?」

「ここの流れるプールは色々な道に分かれてて、結構面白いんだけど」

霧川は浮きわへと、もたれ掛かり晴天の空をボーッと見つめながら

流されていた。

「面白い」

プールに来たのに一度も泳ごうとしないし

やっぱり変わってるな

それに、これじゃー仲良くなるも何もないよ

「浮きわしてるし、もしかして霧川って泳げないの?」

「泳げる」

「それがどうかしたの?」

と言いながら「コテン」と最騎の方へと頭をかしげる

「いやーそのー」

なんか恥ずかしくなってくるから顔を近づけないでくれ、

それに、少し上目遣いになってるのもやめてくれー

本人が意識してないから注意もできないし

学校でもこんな感じなのか?

クラスの男子とかに誤解されたりしないのかよ

「夏樹と合流したらスライダーとか泳ぎにいかないか」

「流れるプールで流されるだけってのも飽きるでしょ」

最騎は真っ赤になった顔を横に逸らしながら話を続ける

「せっかく遊びに来たんだし」

そうこうと話しながら流されていると、先ほどの更衣室近くへと

戻ってきていた。

夏樹がいないかと探そうとすると、出来るだけ体を覆い隠そうと

体育座りしながら羞恥で赤らめた顔を伏せている赤毛の少女がいた。

というか、ものすごく目立っていた。

プールから上がるのも面倒なのでよぶことにした。

「おーい、そこの赤毛の女の子ー」

返答がないどころか無反応

「赤毛の体育座りしている子」

少し反応したが顔を上げない。

赤毛で体育座りする人間なんてお前ぐらいしかいないんだから気づけよ

「夏樹さーん」

やっと顔を上げ、フルフルと頭を回しながら自分の名前を呼んだ

人物を探している。

「こっちだよ、プールの中」

最騎に気付いた夏樹はプールへと歩み寄る

「ここにいたのね、置いて行かれたと思ったじゃない」

「すいません」

「でもさ、先に遊んでろって霧川に言ったんでしょ」

「言ってないわよ、覚悟を決めたいから少しだけ最騎と一緒に待ってて」

「って言ったの」

「どういうことだ霧川」

「っあれ、どこいった?」

「そういえば、珠洲ちゃんは何処なの?」

「いやーどこに行ったんだろ」

「見失っちゃった( ´∀` )」

「何やってんのよ、珠洲ちゃんに何かあったら怒るから」

いやーすでに怒ってるし

でもこれ以上怒らせるのも怖いし探すか

霧川だって一応は高校生なんだから平気だと思うんだが

「見つけたわ、あそこにいる」

プカプカと人ごみに流されながらボーッと空を眺めている

「あいつ何やってるの」

「霧川を追いかけるからそこで待ってて」

夏樹がうなずくのを確かめてから霧川の方へと向き直る

霧川の姿はもう見えなくなってしまった。

「おーい霧川ー」

如何にかして、追いつかないと

プールから上がってみるか

地上から言って追いつけるといいんだけど

分かれ道によっては、、、

「遅かったか」

流れるプールは、幾つかの遊戯施設などと繋がっていて移動手段としても使われている

その中の、海をモチーフとした扇方プールの中へと流れていくところが見えた。

「もう、嫌だー」



この施設は三つのエリアに分かれており、各エリアにはそれぞれ特徴的な遊戯施設が存在する。

南国エリアの7割は扇方のプールで構成され、プール内に遊具やバーなどの店が存在している。

そのため南国エリアはとても大きな上にこの施設で人気が高い所の一つだ。

霧川は、そのど真ん中に放り出されてしまった。

「どうするかなー」

今は何とか目で追へているけど

少しでの目を離したら今度こそ見失っちゃうな

、、、?

   、、、? 

      、、、!

「仕方ないか、呼び出しなんか使いたくないし」

距離は五十メートルくらい

周りに人はいない、何とかなるかな

「霧川ー」

名前を叫び助走をつけながら走り出す。

そして大きくジャンプし扇方のプールへと飛び込む

本来ならば、そのまま水の中へと突っ込むはずだったが

「魔力シールド展開」

最騎の足元にはシールドが現れそれを踏み台に空中に停滞し

               次の瞬間には上方高くへと再び飛んでいた。


それを何度か繰り返し霧川の元へとたどり着き、水へと落っこちる

霧川は少し驚いたように振り向いた

「どこにいたの」

「霧川こそ勝手にどこかに行くな」

「わかった」

本当かよ

などと思いながら手を引いて連れて帰る

「最騎はウイングだったの?」

(ウイング;飛行魔法を使える人間のこと)

「違うよ、今のは簡易魔法を応用して跳躍しただけ」

「そう」

「それよりも、夏樹を待たしてるんだからいそぐぞ」



夏樹の元へと戻るとすでに午後だったため昼食を取りながら

説教することになったが、、、

霧川は直ぐにでも遊びたくて嘘をついたらしく

夏樹は「珠洲ちゃんが楽しかったなら、それでいいよ」

などと言い、とても甘やかしている

「二人がいいなら、いいや」と最騎も諦めた。

食事が住むと遊ぶために移動する。

「騒動のおかげで水着を着るのにも慣れたようだね」

「そうね、珠洲ちゃんのおかげだよ~」

夏樹は霧川の頭を撫でながら甘やかす

「そういえば、最騎は私のを見ても何も感想無かったし」

「やっぱり、常識知らずね」

「言う前に、霧川が居なくなったんだよ」

「そう、じゃあどうなの」

「?、、」

「恥ずかしがって出てこないって、聞いてたから」

「どんな水着着てきたんだって思ったけど」

「結構似合ってるよ」

はー、何恥ずかしい事言ってんだ

さっさと話題を変えよう

「ウォータースライダーなんかいいんじゃないか」

「折角だし行こうよ」

「何それ?珠洲ちゃん聞いたことある?」

「初めて聞いた」

二人ともプール初めてとか言ってたけど

ウォータースライダーすらも知らないもんなのか?

「ほら、あれだよ」

「近くに行けば、もっと分かりやすいと思うよ」

三人で向かうことに決めて、歩いていると、

霧川と一緒に歩いていた夏樹が近づいてきた。

そして、耳元に夏樹の唇が触れるか触れないかという所まで寄せる。

最騎は耳には吐息がかかりくすぐったくもあり、

公衆面前で少女にこんなことをされ恥ずかしくもあって、その場で固まる。

夏樹は唇を動かし、静かな音へと変換する。

「週末の朝、付き合ってくれない?」

「えっと、、、ああいいけど」

「このことは珠洲ちゃんにないしょよ」

何なんだよ、今日わ

色々と起こりすぎて心臓に悪い

それにしても何なんだろう、まさか殺されるとか

今日の対応に気に入らないところがあって不満を爆発させたとか

ああー、もう考えないようにしよう着いたことだし、

あ~でもな~、いやこれから頑張って汚名返上すればなんとか

という望みを抱くしかないな

「こっこれがウォータースライダー」

「すごいのね」

霧川はイケそうだけど夏樹は何か青ざめてないか

足も震えてるし

「別に無理しなくていいんだぞ」

「そうか、ならいいんだけど」

「もしかして、体調が悪いとか」

「問題ないわ、ビビってるの?」

「なら行こうか」

階段を少しずつ上っていくにつれて、夏樹の顔は暗くなっていく

20分ほどでようやく自分たちの番が回ってきた

夏樹はスライダーに腰を掛けながら滑ろうとしない

「夏樹、流石にやめたら」

「撤退するのも勇気だよ」

「平気だって言ってるでしょ、私は出来る」

「私は出来るんだからー!」 

決心したのか腰を前にずらす

水に体が浮き、どんどん滑っていく

「やっぱりダメ」

夏樹は寸でのところで最騎の腕をつかんだ

しかし、突然のことで最騎は踏ん張ることが出来ず

二人ともスライダーへと転び落ちる。

どんどん加速していくなか、二人は洗濯機で洗われている衣類みたく

上下左右に翻弄されている。

「助けてくれー」

「ダメー無理ー」

暗闇が長く続き突如、明かりが現れたと思うと

すでに空中へ放り出され、次の瞬間には水へとダイブすることになった。

最騎は水面から顔を出すと、夏樹が無事か確認するが

何処にも見当たらない

「どこだー、夏樹ー」

周りにいる人達が水面を指さして騒いでいる

そして、その水面には幾つもの気泡が現れては消えていた。

「まさか!」

そのように言うと最騎は水面下へと潜り、気泡の元へと向かう。

そこには目を閉じ、身動きもしない夏樹の姿があった

夏樹の体をお姫様抱っこのように持ち上げ、陸地に急いで運ぶ

「おい、大丈夫か」

首の動脈に指を当て、その後に

呼吸をしているか確認するため、口元へと手を当てる

「息をしていない」

「誰かAEDを持ってきてくれ」

最騎の右腕は仰向けに横たわる夏樹の顎を上に押し上げ気道を確保する。

そして、左手で鼻をつまむ

「すまない」

最騎の顔が夏樹の唇へと近づいていき、最騎の心臓は鼓動音を大きくしていく

              そして

               ・ 

               ・

               ・



夏樹を乗せた救急車は病院へと運ばれるのをプールの入口で見送り

戻ろうとすると、後ろには霧川が立っていた。

「優香が泳げなかったの」

「それを私は知っていた」

「ウォータースライダーに行くのは、止めるべきだったし」

「最低限あなたには言うべきだったのに」

「友達失格ね」

「どうせ、夏樹が口止めでもしてたんでしょ」

「それなら君は、友達との約束を守っていたんだよ」

「結果がどうだったとしても、君のせいじゃない」

「それに助かったんっだしさ」

横に顔を逸らしながらポソッと呟く

「ありがとう」

夕焼けのせいなのか笑っているように見えた

「じゃあ帰ろうか」







































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