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危機
頭が痛い
それより、なんで手を縛られてるんだ?
『起きたのね』
『もうすぐ警備員が来くるわ』
『その前に、私は優しいからご家族に遺言を伝えてあげる』
『いやいや、何で死ぬの前提なの!』
『それに、ここボクの家だから』
『捕まるとしたら君だよ』
「嘘を付くなら、もう少しマシな嘘を付けば」
ガチャン
『嘘じゃないぞ』
ドアにはショートカットの女性が立っていた
「先生、助けてください」
この状況を打破しようと藁をも縋る思いで助けを求めた
「あなたが神崎先生ですか?」
「そうだ、君が噂の天才騎士か?」
「霧川珠といいます」
「それで先ほどの言葉は事実なのですか?」
「ああ、彼はここに住んでいる」
「今の聞いたでしょ、僕は嘘なんかついてない」
「うるさい」
声色やか表情からは感情が読み取れないが、ボクのことを見る目はとても鋭く
不覚ながら奥歯が震えてしまった。