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ドラゴンでなら全裸は有りでしょう。 後篇 一部

 オレは村を抜け、荒野入口に着いた。

 

 「はあ、はあ、はあ……」


 ――走り過ぎたせいか、オレの息が上がって居た。

 間に合って居てくれ!!

 オレは祈る様な気持ちであたりを見渡す。



 元畑らしいが巨大な穴が至る所にぽっかり空いて見る影も無い。

 ――ここが土竜ミミズの場所で間違い無いだろう。


 オレの眼前に数十人の男が老人子供関わらず大砲などの武器を手に身構えている。

 大砲8門、銃火器…中隊クラスの兵力はありそうだ。

 重火器の射程範囲外らしく、彼らは攻撃を躊躇っているようだ。


 ――そして。


 男たちが対峙する眼前に奴が居た。

 ――そいつは見上げる様な巨大な姿。

 鎌首をもたげ、おおきくひらかれた巨大なアギト――牛程度でも一のみだろう。 

 そこにつながる太い首はまるで巨大なサイロを思わせた。

 そして、その首を静かに揺すって居る。


 ――これが、ミミズか?

 オレの頭の中に疑問が浮かぶ。

 

 ミミズを思わせる姿だがサイズが決定的に違う。

 ふつうのミミズの千倍は大きい。

 普通のミミズがこいつと並ぶと、普通のミミズが糸ミミズの様だ。


 ――そして、何よりそいつの口。

 口は肉食獣を思わせる鋭い刃が並んでいる。

 まるでドラゴンを思わせた。

 

 オレは直感的に確信した。

 ――こいつは地竜……――(砂虫)サンドワーム。

 ミミズじゃねぇ、ドラゴンの一種だ。

 

 そして、オレが男たちの背後を良く見渡すと、男たちの背後に生け贄となった女性――ユナの姉らしき少女がいる。


 彼女は、覚悟を決めたのか身動き一つしていない。


 おれは構わず女性の側をぬけて最前線へ歩を進めようとした。

 ――オレは全裸になって居たが、かまやしねぇ――裸で勝負が男の美学。

 



 しかし、ヤツはなんて大きさだ……。

 近寄るとサンドワームの大きさが更に判る。

 その大きさに思わず息を飲む。


 ――そして、息を切らせながら、おれは呟いた。


 「はあ、はあ、はあ……。――でかいな」


 「それほどでもありませんわ、たかがDカップですから… ん?」


 女性は恥ずかしそうに返事をしながら、俺の方に振り向く。

 ――全裸でいるオレの姿に気がついた。

 

 「ん??」


 そして、彼女は顔を真っ赤にして、怒気としかめっ面と恥ずかしさを足したような表情になった。


 「きゃぁぁぁ~~~~!! へ、変態が居るぅぅぅぅぅ!!!! 」


 あの妹にしてこの姉と言うような凄い声量だ。

 自分の命の危機にも関わらずだ。

 おれは構わず、おれは男たちの前に進み出ようとした。



 びくっ!!

 

 ――刹那、サンドワームの動きが止まる。

 

 神竜であるオレの気配に気が付いたのか?

 奴が臆して逃げ出しても、オレはこのままを逃がすつもりも無いが……。

 ――女を泣かせる奴には、死有るのみ!



 砂虫は何かの気配を察したようにその体を天に向ける。

 そして、口を大きく開き空気を吸い込み始めた。


 空気を吸い込んだ砂虫は体を膨らませて行った。

 胴回りが数倍に膨らんだだろうか?

 奴のアギトを閉じた。


 ――そして、口をすぼめてこちらの方に鎌首を向けてきた。


 あたりの空気が張り詰める。

 

 ……いやな気配がする。

 何処かで見たような光景――思い出した!

 そうだ、これは奴のサンドブレスの準備動作だ!!



 「ふせ…」


 オレが全ての言葉を言う前に、奴のアギトからは猛烈な風が吹き出し男たちを薙払う。

 

 「うわぁぁ~~~」

 

 男たちの悲鳴が響き渡った。


 ――そして、男たちは吹き飛ばされた。

 反撃の余裕すら与えてくれない。


 オレはその様子をなす術も無く見守るしか無かった。


 くそっ!!

 ――これが、砂虫サンドワームの実力か。



 残るは背後にいた生け贄の姉と、オレのみ。

砂虫は首を伸ばしアギトを女性の頭上に開いた


 まるで、パック〇フラワーの様な口が彼女に襲いかかった。


 覚悟を決めた彼女は静かに目を閉じる。

 

 間に合うか!? 


 ――瞬間、おれは叫び声を上げ、彼女の服をつかむと後方に引き倒す。


 「うぉぉぉぉ~~」


 


 ガキーン!!


 奴の金属質な歯が当たる音する――彼女の寸前で砂虫のアギトが空振りした。


 

 地面に座り込んで居る女性は自分が生きてるのが不思議そうに目を開いた。

 

 「あたし生きてるの?」

 「オレが助けたからな」


 次の瞬間、彼女は悲鳴を上げ猛烈な勢いで暴れはじめた。

 ――オレを叩きまくる!!

 大砲及び装填装置にも命中している。 マジで痛いからやめろよなぁ~~!!


 「ぐぉぉぉ!!」

 オレは苦悶の表情を浮かべた。


 「いやぁ~~ 変態があたしを触っている!!! あたしに触らないでぇ!!」

 「バカ野郎 あのままだと砂虫に喰われてたぞ」

 

 彼女はオレの股間に目をやった……。


 「あんたに喰われるのもイヤぁ~~!! そんな粗末な大砲の餌食にはなりたくない!」

 「俺のは粗末じゃねぇえ!!!」

 

 し 失礼なっ!! オレのはマグナムだぞ。



 その間にも砂虫サンドワームは次の攻撃を構えだした。

 鎌首をもたげ、こちらに狙いを定めていた。

 ……これ来たらヤバいだろぉ。


 コイツはオレでも竜に戻らないと勝ち目ねえぞ――。

 リースを呼んで元に戻して貰わないとな……。


 「リース、近くに居るんだろう?」

 

 ――し~ん。

 彼女の返事は無い……。

 

 「のぉぉぉ!!!!」

 

 こんな時に限って彼女は居やしない!

 ――この時の最終手段は一つ。



 オレは女を担ぐと全力で走り出した。

 ――ひらすら全裸でにげる。


 「下ろして、変態! さわらないで!!」

 「下ろしたら砂虫に食われるだろう……」

 

 背中の女は凄い形相で、悲鳴を上げつつ、オレ達は逃げ回る。



 ……当然ながら、悲鳴を聞きつけ、獲物をとられ怒り狂った砂虫サンドワームも後を追う。

 ――モグラのように地面を盛り上げながら。



 オレはちらりと振り返り考えた。

 こいつと此処で戦うとヤバいよなぁ……。

 この辺りが廃墟になってしまうよな…。

 ――何処かいい場所は無いか?



 いきなり体が軽くなった。

 不可視インビジ状態のリースが肉体強化魔法をかけてるようだ。


 「おい リース」

 「何ですか」

 「派手に暴れても大丈夫な場所は近くにないか?」

 「北にすこし走った場所に窪地が有ったはずです。 そこなら何も無いですよ」

 「おk」

 

 俺たちは窪地に走る。

 後ろには砂虫サンドワーム

 俺たちはひたすら走った。


””



 しばらく走った。


 俺たちは湖そばの窪地についた。

 村から離れているせいか、あたりは何もない。

 湖は、カルデラ湖というやつだろうか? 火山の噴火した後にできる湖だ。 湖の水は温水なのか湯煙をあげている。



 これだけ逃げれば村からも男たちから相当離れた。

 もうオレが全力で暴れても良いだろう。


「よっこらせっと、 そろそろ始めるか」


 オレは女性を草むらに下すと女性は凄まじい悲鳴を上げ始めた。


 「そ そろそろ始める!?  いやぁ~~ 誰か助けて!!! 犯される!!!! お嫁にいけなくなる~~!!」


 ――まるでオレが犯罪者のようだ。

 女を無視して俺はリースを呼んだ


 「おい リース居るんだろう?」

 「もぐもぐ…、いますよ~」


 荒れ地にある岩の上に声がする。

 声の方を向くと声の方から――半透明な彼女リースが現れる。

 リースは徐々に実体化していった。


 「御呼びですよね~」


 彼女の手にはミツバチの巣棚の欠片が持たれていた。

 デザートくってたのかよ、この非常事態に。


 「今度は何? 真っ昼間からお化け?」

 リースの姿を見た女性はこえをあらげた。


 リースの顔がひきつる。

 彼女は蜂蜜を口に付けながら答えた。

「失礼なっ! 竜神補佐官リースですよ」


 「さっそく 元に戻してくれ」

 「喜んで!」


 リースは玉を袋から取り出すとおれに投げ渡した。

 「がんばってくださいね」


 「いくぜ 」


 オレは玉に力を込める。

 ――竜の力が俺様に蘇る!

 そして、鎌首が持ち上がった!!


 びんびんだぜ!!!


 ――その姿を手で目を隠しながら、指の隙間から女性は俺の姿を見ている。



 まばゆい光のなかに黒銀の巨大な竜が現れた。

 鎌首をあげた砂虫より更に大きい。


 ――竜・神・降・臨っ!!


 砂虫サンドワームめ、格の違いを思い知れ!



 オレは羽ばたいて砂虫に向かっていった。

 背中にリースを乗せていた。




 巨大な竜に変身したオレを、女は阿呆のような表情でこちらを見ている。


「な 何なのよあれは……」


 彼女は驚きのあまり声は引きつっていた。



 ――砂虫は、俺たちを見つけたようだ。

 猛然と突っ込んで来ている。


 砂虫サンドワームとの最終決戦が始まろうとしていた。


次で完結します。


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