私と熊と水色少女(+金メッシュ)
少しの間走り続けた私たちは
屋上へつながるドアを開け外に出る
「ぷっはぁああああああ!空気がおいすぃいいいいいいいい!生きてるってすばらすぃいいい!!」
少女が大袈裟に叫んだり深呼吸するのを後ろに感じながら
私は敵が入ってこないようにと屋上のドアに鍵をかける
「よし、もうそろそろかな」
時計を見ながらそういう
少女は私がいった言葉の意味がわからないようで
不思議そうにこてんと首を傾げている
「すぐにわかるよ」
すると屋上へのドアを内側から叩く音をかきけすように
エンジン音とプロペラが風を切る音が聞こえてくる
「ふぉおおおおおおおおお!!!!へりー!!!」
少女のいう通りヘリコプターがこちらに向かって飛んできている
予め私がララさんに頼んでおいたのだ
ヘリがかなり近くまで来ると
「とろさん!!!これ!のっていいの?!!!」
あったばかりの時のようにらんらんと目を輝かせる少女に良いよと頷く
「ひゃっほぉおおおおおおおおおおいっ!!!!!ん???あれ?あれれれれ?」
少女はヘリの運転席の方をみて、驚いている
「あっれぇ??!金メッシュ!あれはわさしく金メッシュ!!!!!そう!あれは!ばたこさん!」
金メッシュという言葉にまさかと思い私も目をヘリの方向へ向ける
「 なんだあいつ、今日は他の任務じゃなかったのか?」
ヘリを操縦していたのは他でもないヤニ臭いあいつだった。
煙草をふかしながらはしごをおろす合図をおくってくる
それに軽く手をふって応える
「うぉおお!はしごおりてきた!!!これのぼればいいんですか??!!!ふぉおお!」
少女のテンションが頂点にあるのが目に見えてわかる
「そうだよ、のぼればいいの、私が先に上るから真似してついてきて」
「はいっ!!とろさん!」
またしてもいい返事が返ってきた
自分の目の前におりてきたはしごを
しっかりとつかみながらのぼりきる
少女もしっかり後ろについてきていた
最後は少女の手をとり
ひっぱりあげるようにして
無事二人ともヘリに乗ることができた。
「ふへぇ、疲れましたぁ」
つかれがどっとでてきたのか
少女はぐったりとしている
「あれ?そういえばあの熊は?」
いつのまにか少女の相棒の熊が消えているまさか屋上においてきたのではと窓から覗いてみるが姿は見えない、
確かに屋上までは一緒に来ていたはずなのに…
「くまさんなら、一足先に基地に帰るって言って 帰りましたよ~」
へらへらと笑いながら少女は答える
「うちのくまさんは優秀なんですよ~
あれくらいの高さなら飛び降りたってへっちゃらなんですぅ」
確かに高層ビルほど高くはなかったが
どんなに丈夫な足をもっていても
落ちたら確実にあの世行きの片道切符だ、
これはまさしく
「くまじっくですよぉ!!種も仕掛けもございませぇーん!ってね!」
そう、マジックのようだ
「あ、そうそう、とろさん、聞きたかったんですけど今回の任務ってあのマフィアの全滅じゃないですか!!!数人残ってましたよね??」
あぁそれなら
バフォッーーーーン
「今ので全滅完了だから大丈夫だよ」
とどやがおでピースしてみる、
中央部分以外の敵を倒しているときについでに時限爆弾もしかけさせてもらったのだ
「うぉおおおおおお!とろさん!かっくぃいいい!!!!」
「でっしょーー」
「ふおおおぉおおおおおおお!!!」
「たんちゃんうるさい」
本当にうるさかったので一喝しておく
「!!!!!とろさん名前!!!二回目ですね!!呼んでくれたの!!」
とても嬉しいです!と目をうるうるさせながら少女は喜んでいる
「だって、たんちゃん最初に自己紹介しなかったでしょ」
「ふぉうっ!!!!」
少女改めたんちゃんはすっかり忘れてましたと言わんばかりの間抜け面をしている
「ふっははははははははははは」
耐えきれずに大笑いしてしまうと
間抜け面をしていたたんちゃんも同じように笑いだした
どうやらララさんの言った通り
私はたんちゃんを気に入ったようだ
「おいおい、俺のこと忘れてないか?お二人さんよぉ」
煙草をくわえヘリを操縦する金メッシュの男は寂しいそうにでも優しい顔で呟いた。
完結!!!!




