――AM 04:00――
――AM 04:00――
僕 モノローグ――:
あれからも 相も変わらずJは僕の元へとやってくる。
あんなことがあったのに、Jに全く変わった様子はない。
いつものように僕の元へとやってきて、いつもと変わぬ態度で僕を抱く。
変わってしまったのは、僕だけなのだろうか?
あの日、あの時、あんなことさえ起こらなかったら、
僕はJを知らないまま、永遠にJを憎み続けていたことだろう。
果たして今まで僕は、Jの何を知り、何を見てきたというのだろう?
Jが何も教えてくれないのではない。
本当は、“僕が何も知りたくなかった“だけなのではないだろうか。
世の中には知らないでいた方がずっといいこともある。
真実よりも、嘘だらけのほうが、ずっと心地よく、幸せでいられるということもある。
ちょうど今のJがそうであるように……。
でも、真実が見えていないのは、何もJ一人に限ったことじゃない。
それは、ついこの前までの、僕も同じ事だった。
僕はなぜJが僕にこんな仕打ちをするのか分からなかった。
でも、今ならば。
それが僕にはよくわかる。
愛とは奪うこと。
相手の総てを奪い、カラにして、
こんどは、そこを自分でいっぱいに満たすこと。
それが愛だと、Jが僕に教えてくれた。
だったら、何をためらうことがある?
いっそJのなにもかもを奪って、Jを空っぽにしてしまおう。
そしてそれから、僕でいっぱいに埋め尽くしてしまおう。
そしたら僕は、一体、どれ程の幸せな気持ちに満たされ、
どれ程の今のこの苦しみから解放され、
そしてどれ程、自由を感じられるだろう。
そう。Jが僕を愛したように。
同じ方法で、今度は僕がJを愛するのだ。
今夜、Jがこの部屋を訪れてきたら……。
その時は……。
何もかも、打ち明けてしまおう。
そうすれば、僕たちは幸せになれる。
クスッ。総てを打ち明けたら、Jは一体どんな顔をするだろう?
“それでもいい。
こうして お前といられるならば。
このままずっとお前に触れていられるのならば。
それなら、嘘だらけのお前でも、私は一向に構わない“
……そんなJらしからぬことを言って、
Jは、僕を受け入れてくれるのだろうか?
それとも、腰を抜かしてさっさと逃げだしてしまうのだろうか?
まぁ、いずれにせよ、
どちらに転んでも構うことはない。
もうこれ以上
こんな嘘だらけはやめにして、
いっそ、総ての真実をさらけ出してしまおうというのなら。
それならもう、
どのみち行きつく先は……
一つしか残されていないのだから。




