やっとここまで到達しました……
《小中! そっちだ捕まえろ!》
通信機から入ってくる声に、純は「よっしゃあ!」と叫びながら相手――FSの犯罪者に正面から突っ込んでいく。
「……ちっ、またかよ」
犯罪者が舌打ちをして、純に手を翳すと、突風が純に襲い掛かった。
――ガァーンッ――
「……無駄だ無駄だ無駄だぁ!」
壁に背中から強打した……しかし、純は痛む事なく再度犯罪者に詰め寄る。
純は、能力――干渉を使い、体の強度を高め、ダメージを無くしたのだ。
純が至近距離まで犯罪者に寄ると、拳を握り締め、力一杯で殴った。
――メキメキ――ボキ――
犯罪者が盾の為に出した腕から嫌な音が耳に……感触が腕に響いて、純は放心状態になった。
犯罪者の悲痛な叫び声が辺りに響き渡る。その声を頼りに、純と同じチームのメンバーが集まる。
「小中、お疲れ様。じゃあ俺、後処理の奴に報告してくるわ」
メンバーの一人の声で放心状態から復活した純は「あぁ」と納得した。
「俺……本当に化け物なんだな」
「俺らなんかまだマシだ。殺すしかない能力とかもあるからな。それに、俺らは一般人を守ってんだ。自信持てよ」
そう返したのは、報告をした奴とは違うが同じメンバーの人だ。
純は「そうだよな」と返し、改めてメンバーを見回し、げんなりとした。
「なんで……なんで……男ばっかりなんだ」
純を入れて男三、女一の割合に元気が出ない。
数少ない女性もメンバーの一人、リーダー(報告をしていた)とイチャイチャしているから余計に疲れて涙が出そうな純であった。
「……早く帰ってお姉様に慰められたい」
あれ以来、会ったら嫌悪な顔をする謎の美女(同年齢以下)に、それを叶えるのは不可能だと思うが純には伝わらなかった。
「という訳で、必殺技とか欲しいよな。殴る度にあんなの嫌だし」
どういう訳かはわからないが、必殺技とか厨二病を発生させた純は可哀相であった。
「う〜ん。……あっ、そうだ! お金お金!」
と言って、ごそごそとポケットを漁り、サイフから小銭(100円)を取り出した。
それを拳をグーにした親指の所に乗せた。そして、指を弾いた。
――ズガーンッ――
「出来た! レールガン!」
摩擦で発火した100円玉は溶けて消えたが、その名残としてえぐられた地面や焼けて陥没した木々が残されていた。
「あれ? そういえばお金って曲げたり、折ったりするのは犯罪じゃなかったっけ?」
純は気づいていなかった。これは最早人間最高レベルではなく、人外レベル。つまり、レベル二――部分強化の到達である。
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(≧∇≦)