錆
からだの端から錆びてしまえば、ずっとここにいられるだろうか。
腐り落ちて溶けてしまえば、あなたは離れていかないだろうか。
きしむ腕をのばしてみても、濁った雫が滴るだけだ。
水たまりに這いつくばっては、欲まみれの汚物を吐き出している。
床に爪の跡。
滲む赤色をあなたは踏みつけて、嗤う。
錆びる手首を引き千切ってよ。
繋いだ鎖で首を絞めてよ。
液体になって、蒸発できたなら。
傷口から侵食して、一つになれたなら。
もう、壊れているのかもしれない。
期待させては突き落とすあなたが、愛しくて仕方ないのです。
「切り取り線みたいだね」
体中を横切る赤い点。
流れ出す錆びをあなたは舐めとって、笑う。
「ごめんね」
その涙を拭おうとして気付いた。
錆びきってしまった僕の腕は、もう崩れて無くなっていた。
直したいところが多々ありますが、ひとまず。