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もう泣き言はいいません!愛する人を守るために立ち上がります  作者: Karamimi


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第79話:同じ過ちを繰り返さないためにも

「確かにクレスロン元男爵家の人間が、一斉に姿をくらましたのも気になりますね。もしかして、闇の一族との繋がりがあるのかもしれません。アイリーン様の話では、元々4000年前は、侯爵だったのですよね」


「闇の魔力を持つ者の一族と関係を持ち、その上魔王誕生の手助けをした一族の子孫が、未だにこの世にのさばっているだなんて…どうして彼らは、今まで生き延びられたのかしら?」


「それも魔王の力ではなくって?とにかく、一刻も早くクレスロン元男爵の一族を探さないと」


「そうね、こうしちゃいられないわ。アイリーン様、私たちは捜査に戻りますわ」


 そう言うと、そのまま部屋から出て行った4人。


「クレスロン元男爵が姿を消しただなんて…魔王が消滅した今、ある意味次の魔王が誕生するタイミングなのかもしれない…陛下、万が一レドルフ殿下が、魔王にでもなったら大変です。可能性がある以上、レドルフ殿下を24時間体制で監視いたしましょう」


「そうだな…4000年もの間、我々は苦しんできたのだ。ここでまた、魔王を誕生させる訳にはいかない。それも、我が息子が魔王にでもなったら…とにかく、レドルフを外部の人間に絶対に接触させない様にしよう。レドルフの行動を、逐一報告させることにするよ。


 正直今日のレドルフは、父の私が見ても常軌を逸していたからな…ジルバードに何かしでかすのではないかと、さっきも王妃と話をしていたところだ…ジルバード、くれぐれも気を付けてくれ。それからアイリーン嬢、話しにくい話を、私にもしてくれてありがとう」


「いいえ…私はただ、たとえ稀な確率だったとしても、魔王が誕生する可能性を摘んでおきたかったのです。この4000年の間で、私の魂だけでも7人の女性が、魔王に人生を狂わされました。


 もちろん、ここにいる人たちの魂もです。もう二度と、あんな思いをしたくはないし、未来の私達にもさせたくはないのです。その為にも、絶対に魔王誕生を阻止しないといけないのです」


「アイリーンの言う通りだ。たとえ稀な可能性であっても、魔王誕生だけは阻止しなければいけない。俺も元男爵家の調査の方に協力します」


「私は闇の魔力を持つ者の一族について、調べてみますよ」


「マクレス公爵、令息、ありがとう。君たちばかりに負担をかける訳にはいかないからな。他の侯爵以上の貴族たちにも、アイリーン嬢の話をして協力を仰ごう」


「ですが陛下、他の貴族たちにその様な話をするのは、いかがなものかと…それに確証はありませんし」


「たとえ確証がなくても、不思議な力を持っているアイリーン嬢の言う事だ。きっと何かあるのだろう。それにこれ以上、王族から魔王を出す訳にはいかないからな」


 王族から魔王を出す…その言葉が、胸に突き刺さる。陛下にとっても、ジルバード様にとっても、私の話は非常に辛いものだっただろう。まさか自分の先祖が、魔王だっただなんて…


 私は2人にも、重い十字架を背負わせてしまったのかもしれない。それでも私は、どうしても再び魔王を誕生させることを避けたいのだ。


「とにかく、何が何でも再び魔王を誕生させる事だけは阻止しよう。既にクレスロン元男爵が動き出しているかもしれない。皆の者、魔王討伐で疲れているところ悪いが、どうか協力してくれ」


「ええ、もちろんです。それでは私は、早速令嬢たちに合流して、クレスロン元男爵家の捜査を開始します」


「私は侯爵以上の貴族を緊急で集めて、協力を依頼しましょう」


 お父様とお兄様も、部屋から出て行った。


「まさか王族から、魔王を誕生させていただなんて…アイリーン、本当にすまない。俺の先祖が、ずっと君を苦しませていただなんて」


「私からも謝罪させてくれ…4000年ものあいだ、君を苦しませてすまなかった。実は私は魔王を見た瞬間、もしかして魔王は私達の先祖だったのではないかと思っていたのだよ。あの赤い瞳は、王家にのみ受け継がれる色だからね…まさか我が一族が、ずっと皆を苦しませていただなんて」


 そう言うと、悲しそうに笑った陛下。きっと胸を痛めている事だろう。


「父上、落ち込んでいる暇はありません。もう二度と、王族から魔王を誕生させないためにも、兄上をしっかり監視しましょう。相手は謎の多い伝説の闇の一族です。どんな手を使って、兄上に近づくか分かりません。


 こちらも優秀な魔術師たちを集めて、対応するべきです」


「ジルバードの言う通りだな。落ち込んでいる場合ではない。過去は変えられないけれど、未来は変えられる。すぐに優秀な魔術師たちを手配して、レドルフを24時間監視しよう」

次回、レドルフ視点です。

よろしくお願いします。

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