第71話:隠された真実【その10】
明けましておめでとうございます。
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「兄上を殺すつもりはなかったのだが…まだ手加減が上手く出来ない様だな」
そう言うと、ディーノ殿下がニヤリと笑ったのだ。
「アラン殿下をよくも!」
友人3人も、ディーノ殿下に攻撃をかけようとしている。ダメだ、これ以上は!
「止めて!皆。分かったわ、ディーノ殿下の妻になるわ。だから、どうか…どうかもうこれ以上は止めて!」
これ以上、大切な人を失いたくはない。アラン様、こんな愚かな私を、どうかお許しください…
「何を言っているの?あなたを魔王に売るだなんて、絶対に嫌よ。私は戦うわ。この命に代えても」
「「私たちもよ」」
「皆、お願い、止めて!」
必死に3人を止めようとしたのだが…
「「「きゃぁぁぁぁ」」」
3人がディーノ殿下の攻撃を受け、吹き飛ばされてく。
「サーラ、ミラ、ソフィ!」
3人に急いで駆け寄った。
「…セリーナ…お願い…逃げて…」
「…あなただけでも…お願い…」
既にソフィは動かないが、かろうじてサーラとミラは息をしている様だ。
「なんだ、まだ生きていたのか…しぶといな。今楽にしてやるからな」
ゆっくり近づいてくるディーノ殿下を、ギロリと睨みつけた。
「私、本当にバカね…皆、ごめんね。サーラ、ミラ、あなた達だけでも生きて!」
「「…セリーナ?…」」
「ディーノ殿下…いいえ、魔王!私があなたを倒すわ。この魔力に懸けても」
皆が私を命がけで守ろうとしてくれた。それなのに私は!何のために私はこの膨大な魔力を持って生まれてきたの?大切な人たちを守るためでしょう。それなのに!
「ほう…この国一番の魔力持ち、セリーナが俺と戦うだと?それは面白い。やってみろ。まあ、お前の魔力を持っても、俺を倒すことはできないだろうがな!」
「それはどうかしら?」
お願い、私の中に眠る魔力よ!どうか私に力を貸して!愛する人たちを目の前で奪われた無念、どうか私に晴らさせて!!
その瞬間、体中から今までに感じた事のない魔力が溢れ出す。
「さすがセリーナだな、だが、その程度の魔力では俺には勝てない!」
一気に私に魔力をぶつける魔王!私の魔力と魔王の魔力がぶつかり合う。その威力はすさまじく、建物が次々と崩壊していくほどだ。
あまりの凄まじい魔力の放出に、体中に激痛が走る。
「もう限界か?やはりこの程度の魔力では俺には…」
「いいえ…まだよ…絶対に私が、あなたを倒して見せる。たとえこの命が尽きようとも!」
絶対に負けない!負ける訳にはいかない!この命を懸けても必ず、この男を倒して見せる!
そう強く願った時だった。さらに大きな魔力が、一気に私の体から放出されたのだ。
「止めろ…何なんだこの魔力は!クソ…どうして貴様はいつも俺の邪魔ばかりするんだ!セリーナ、お前だけは絶対に許さない!お前が生まれ変わるタイミングで、俺は魔王としてお前の住む世界を襲ってやる!お前は一生幸せに何てなれない!これからがお前の地獄の始まりだからなぁぁぁぁぁ」
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“そう叫んで魔王は眠りについたわ。魔力を使い果たした私は、その場で命を落とした。あの日から、私たちの悪夢は始まったの…魔王は国全体に呪いをかけた。
私やアラン様、さらに私たちに縁のある者たちの魂が転生するタイミングで、魔王は復活し続けた。
アラン様の魂は第二王子として生まれる宿命を持たせた。元々私の魂しか魔王を封印できない事を知っていたあの男は、私の魂がアラン様の目の前で命を落とす瞬間を、ずっと見せ続けたかったのでしょうね…
私の友人たちの性格も歪ませた。友人達4人と私が仲たがいをする様に、呪いをかけたの。とはいえ…私と彼女たちは、魔王の呪い以上に、強い絆で結ばれていたの。だから最後には、和解が出来ていたけれどね。
とはいえ、この4000年、私たちは魔王によって何度も傷つき、苦しみ、命を落としてきた。全て私の時代から始まったの。本当に申し訳ないと思っているわ…
私があの時、魔王を消滅させられていたら…そう何度も悔いた。
ここにいる子たちは、この4000年、魔王によって命を落とした子たちよ。アイリーン、あなたのお陰で、魔王の呪いから私たちは解放されたの。本当にありがとう“




