第68話:隠された真実【その7】
このままでは本当にディーノ殿下に…
そう思った時だった。
「セリーナ!無事かい?」
「「「「セリーナ」」」」
ドアがけ破られたかと思うと、そこにはアラン様と友人達4人の姿が。
「アラン様…皆、どうしてここに?」
「よかった、間に合って。助けに来るのが遅くなって、ごめんね。もう大丈夫だよ。すぐにこのドレスも脱がしてあげるから。さあ、こっちにおいで!」
「アラン殿下、後は私共にお任せください。ディーノ殿下、それからクレスロン侯爵、あなた達の悪事は全てお見通しですよ」
「観念してくださいね。私達の大切な友人を傷つけた罪は、重いですわよ」
「皆様、早くこの者たちを連れて行ってください」
「セリーナを傷つけた事、後悔して頂きますわ」
アラン様がマントを私にかけ、急いで別室に連れて行ってくれる。その間に友人達やお兄様、さらに騎士様たちが一斉にディーノ殿下とクレスロン侯爵を囲み、取り押さえている。
「アラン様…どうしてここが分かったのですか?」
「今はこのドレスを脱ぐことが専決だよ。怖い思いをさせてごめんね。君がいなくなったと聞いて、本当に生きた心地がしなかった。でも、無事でよかったよ」
強く抱きしめてくれるアラン様の温もりを感じた時、一気に安堵感に襲われ、アラン様の腕の中で声をあげて泣いた。そんな私の頭を、優しく撫でてくれるアラン様。
そしてドレスもアラン様がすぐに脱がしてくれ、公爵家専属の使用人によって、別のドレスに着替えさせてもらった。
「このドレスを、すぐに調べてくれ。セリーナ、今日は疲れただろう。このまま公爵家に送っていくよ。念のため、医師に診てもらおう。今日のパーティーも中止になったし。とにかく君は、何も心配しなくていいから。安心してくれ。
それから、クレスロン侯爵令嬢が君に贈ったこのブローチも、回収させてもらうね。このブローチにも何か、秘密がありそうだから…」
「アラン様、私は直接ディーノ殿下とクレスロン侯爵と話をしました。どうやら彼らは、闇の魔力を持った者と…」
そう言いかけた瞬間、アラン様がそっと私の口を塞いだ。
「セリーナ、もう何も言わないで。後は僕たちに任せてほしい。大丈夫だ、君は何も心配する必要はない。さあ、公爵家に帰ろう」
そのまま私を抱きかかえると、いつもの穏やかな表情をしたアラン様が歩き出す。部屋から出た瞬間、ディーノ殿下とクレスロン侯爵のわめき声が聞こえてくる。
「耳障りな声が聞こえるね。もう二度と耳障りな声が、セリーナの耳に届く事がない様にするからね」
いつもの様に穏やかな表情で私に話しかけるアラン様だが、その瞳からは怒りがにじみ出ていた。
ディーノ殿下とクレスロン侯爵が、これからどうなるのか…恐ろしくて今のアラン様には聞けない。ただ、間違いなく彼らは、今後いばらの道が待っているだろう。
でも、それも自業自得だろう。
彼らにはそれ相応の罪を償ってほしい。その為にも、私の知っている事をすべて話そう、そう決めたのだった。




