表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もう泣き言はいいません!愛する人を守るために立ち上がります  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/91

第63話:隠された真実【その2】

 ~4000年前~

「セリーナ、おはよう」


「おはようセリーナ、今日も可愛いね」


「おはようございます。アラン殿下、ディーノ殿下。あら?アラン殿下、朝から元気がないようですが、どうされたのですか?」


「いや…その…」


「兄上は朝の剣の稽古で、俺に全く歯が立たなかった事を気にしているのだろう。無様に倒れ込む姿、セリーナにも見せたかったな」


 そう言って笑うディーノ殿下。


「ディーノ殿下、その様に言うのは良くありませんわ。アラン殿下だって、一生懸命訓練を受けているのですよ」


「こんな出来損ないの兄上を庇っているのかい?本当にセリーナは優しいな。確かにこいつは第一王子で王太子だけれど、こんなに出来が悪のではね…側近たちも、俺の方が王太子にふさわしいと言っているよ。


 そもそも俺たちは双子なんだ。たかだか生まれた順番で、兄上が王位を継ぐなんて滑稽だと思わないかい。兄上では国王なんて務まらないしね。いずれ王太子の座を、はく奪されるよ」


 そう言って笑って去っていくディーノ殿下。


「相変わらず性格が悪い男ね。アラン殿下、気にしなくても大丈夫よ。別に剣が強くなくても、結局魔力が開花すれば、剣なんて使わなくなるのだから」


「ありがとう、セリーナ。でも僕は…」


「あなたが誰よりも努力している事、私は知っているわ。さあ、今日も中庭に行きましょう」


 アラン殿下の手を引き、中庭へと向かう。中庭には、アラン殿下が一生懸命育てた花が咲いているのだ。


「貴様、俺の通り道に立つとはどういう了見だ!この男を即刻処刑しろ!」


「ディーノ殿下、どうかお許しを!」


「うるさい、貴様の命など虫けら同然なんだよ。今すぐ首を切り落とせ」


「承知いたしました」


 地面に頭をこすりつけ、必死に謝る男性に暴言を吐くディーノ殿下。どうやらディーノ殿下が通るときに、少し邪魔してしまったようだ。


 それにしても、それだけで使用人の殺すだなんて!ディーノ殿下が使用人の事をゴミの様に扱っている事は知っていたが、まさかここまでだったとは…


 さすがに止めないと。そう思った時だった。


「ディーノ、一体何をしているのだ!君たち、すぐに止めるんだ!」


 いつも穏やかで、大きな声を出した姿など見た事がなかったアラン殿下が、珍しく声を荒げ、使用人とディーノ殿下の間に入ったのだ。


「兄上、珍しく声を荒げてどうされたのですか?」


「どうされたじゃない!君は使用人を、何だと思っているのだい?彼らはいつも僕たちの為に働いてくれているのだよ。それなのに!君、大丈夫かい?怪我をしているではないか。すぐに手当てを!」


「兄上、その男は俺に無礼を働いたのです。死に値する」


「何が死に値するだ!いいかい、僕はこれでも王太子だ。使用人を無下にする事は許さない!これは王太子でもある僕の命令だ。ディーノ、君にも従ってもらう。いいな、わかったな!」


「愚かな兄上の分際で、調子に乗って!もしかしてセリーナの手前、いいところを見せようとしているのかい?まあいい、今回は見逃してあげるよ。でも、いずれ俺にたて付いた事、後悔さてやるからな」


 そう言捨て、ディーノ殿下は去っていた。その瞬間、その場にへたり込むアラン殿下の元に急ぐ。


「アラン殿下、大丈夫ですか?」


「ああ、僕は平気だよ。それよりも君、大丈夫かい?すぐに手当てを」


「アラン殿下、本当にありがとうございました」


 何度も頭を下げる使用人。


「謝るのは僕の方だよ。弟が本当にすまなかった。僕にもっと力があれば、ディーノを野放しになんてしておかないのだけれど…」


 悲しそうにアラン殿下が呟く。そんな彼に、そっと寄り添った。


「アラン殿下、あなた様はとても立派なお方ですわ。誰にでもお優しくて、そして正義感もある。あなた様こそ、次の国王にふさわしいお方なのです」


 少し不器用で要領はあまり良くないが、それでも物腰柔らかで、正義感が強く、誰にでも分け隔てなく接するアラン殿下を、私はいつしか愛する様になっていた。


 傲慢で我が儘で、どうしようもないディーノ殿下よりも、数百、いや、数億倍魅力的なアラン殿下を、私の魔力で支えたい。


 常々そう願っていた。


「さあ、中庭に向かいましょう。きっと今日もあなた様が育てた綺麗なお花が、沢山開花しているはずです」


 そっとアラン殿下の手を取り、中庭へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ