第二十一話 妹、お屋敷でのんびり休暇!? ……のはずが、兄たちの“おうちイベント”で息つく暇もありません!!
王城の晩餐会が終わり――
魔法演算大会も終わり――
アリア:「ふぅ……やっと、久々の休日……♡ 今日は誰にも会わず、毛布に包まって、本を読んで……それから……お昼寝……むにゃ……」
──それは、儚くも淡い、妹の幻想だった。
【朝・レイフォード邸】
レオン:「アリア〜〜♡ 朝だよ〜〜っ!! 短期休暇初日だから、今日は“妹と過ごす朝ごはん祭り”だよぉぉぉ♡♡」
アリア(布団にくるまって):「………………今日は寝て過ごすって昨日言ったよね!? ね!?!?!?」
ノア(いつも通り冷静に):「ちなみに午後は“兄妹で初夏を感じる花園ティーパーティ”。夕方は“夕陽を見ながら家族ディナー”が予定されている」
アリア:「スケジュール帳に勝手に書かないでぇぇぇぇぇ!!」
【午前・庭のテラス】
アリア:「(や、やっとお茶の時間……今日はストロベリージャムとスコーン……)」
ノア:「イチゴは“アリアの好みを基に選定した品種”。時期は終わり気味だが、糖度、収穫タイミング、鮮度、完璧だ」
レオン:「紅茶は“妹の好きな香りランキング第2位”! ミルクは新鮮なヤギ乳使用♡」
アリア:「うぅぅ……おいしいけどぉぉ……お兄様たちがずっと目の前にいて落ち着かないよぉ……!」
【午後・サプライズイベント発生】
レオン:「じゃーんっ☆『妹と遊ぼう!初夏のゆるスポーツ祭り』〜〜!!」
ノア:「屋内施設にて開催。“体力消耗を抑えたメニュー”で安全設計済みだ」
アリア:「なんで!!なんで家の中に玉入れ用のネットがあるの!!?!」
レオン:「だってアリア運動不足っぽいし……ちょっとでも一緒に動きたくて♡」
ノア:「“アリアの健康管理”も兄として当然の義務」
アリア:「たのしいけどぉぉ!!……休ませてぇぇぇぇ!!」
【夕方・お庭ディナー】
アリア:「あっ……この光……夕陽……静かで……あったかくて……これこそ、連休ぅ……♡」
ノア:「ディナー前に詩を朗読する」
アリア:「…………え?」
ノア:「題名『妹のまなざし、春の陽に似て』。先日書いたものだ」
レオン:「俺は“妹七不思議!かわいすぎるエピソードベスト10”を語るよっ♡」
アリア:「も、もうやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
【夜・寝る前】
アリア:「やっと……布団……今日はもう……動かない……明日も何もしない……(ぐったり)」
ノア:「明日は“妹が選ぶ一番好きな家族イベント総選挙”だ」
レオン:「票数次第で“妹の夢を叶える兄チャレンジ”もやる予定だからね♡」
アリア:「……むしろ学園の方が平和だった……」




