第二十話 アリア、急遽ドレスで晩餐会!? 王族主催の招待状に、兄たちの警戒モードMAX!!
それは、突然届いた一通の手紙から始まった。
リリアナ先生:「レイフォード嬢。あなたに、王城主催の晩餐会の招待状が届いています」
アリア:「………………は?」
※招待状:
主催・王太子アルヴィン殿下
目的・王都学園と魔法研究科の“優秀な学生”を招いての小規模交流会
対象・各校から選抜された成績優秀者および人物評価の高い生徒
アリア:「や、や、や、やばいっ!! 王子様って、あの王子様!? デュエルしたあの!? ひえぇぇぇ!!」
リリィ:「ああ……アリア、ついに“王家の社交界デビュー”ね……」
アメリア:「王子が主催ってことは、きっと“品定め”も兼ねてるわよ」
エマ:「うっわ〜、絶対“令嬢ランキング”とかされるやつぅ〜!」
アリア:「やめてぇぇぇぇぇ!! お願いだから静かにしてぇぇぇぇ!!」
【レイフォード家・その夜】
ノア(19歳):
「……正装晩餐会。対象は貴族のみ。表向きは交流会だが、裏には“婚約予備調査”が潜む可能性もある」
レオン(17歳):
「だーーっ!! アリアにドレス着せてそんな場に放り込むなんて、誰の許可取ったんだよぉぉぉぉ!!?」
父:「王子陛下のご指名……らしいが?」
ノア:「警戒レベルを“赤”に引き上げる」
レオン:「全方向監視だッ!! 俺、給仕役に変装して潜り込むからッ!!!」
アリア:「だぁぁぁぁああああ!?!?」
【数日後・王都貴族街 ドレスサロン】
エマ:「きゃ〜♡ アリア似合ってるぅぅ!! 白と水色のグラデーションがまさに天使!」
リリィ:「背中のリボンは“ふわ甘守護騎士風”ね。確信犯だわ、兄たちが」
アメリア:「このレース素材……レオン様の直筆指定ね。“柔らかくて妹の肌に優しいもの”って書いてあるわ」
アリア:「恥ずかしいいいい!! もうなにもかも恥ずかしいぃぃ!!」
【晩餐会当日】
場所は、王城・第一迎賓の間。
ライトアップされた魔石の光が白い壁にきらめき、
貴族令嬢たちが着飾って優雅に談笑している。
そこへ現れる、
純白のドレスに身を包んだ、アリア・レイフォード嬢(7歳)――
会場:「……あれが、飛び級の天才令嬢……」「王子が名指しで招いた子よ」「天使……いや妖精……?」
王太子アルヴィン(15歳):
「来てくれて嬉しいよ、アリア嬢」
アリア:「し、失礼にならないように頑張ります……っ!」
その一方、給仕に扮した“あの兄”は――
レオン(変装中):「フォークの持ち方に品がない男子、発見……追尾対象。
アリアの視線に2秒以上触れた男子、即ロックオン……追放検討」
そして会場の片隅には、ひとりの黒髪の青年。
ノア(堂々と護衛枠で同行):
「兄として当然の護衛だ。……スーツ姿でも俺は俺だ」
アルヴィン王太子:「……その方は?」
アリア:「あっ……うちの……兄で……」
ノア:「“付き添い”だ。妹に危険がないよう見守っているだけだ」
アルヴィン王太子:「……ふふ、頼もしいご兄弟ですね」
(※微笑んではいるが、若干引いている)
【晩餐会後】
クラリス:「……あんなに注目を浴びても、堂々としていたわね。見直したわ」
アリア:「いや、堂々としてたんじゃなくて、心が死んでただけですからぁぁぁ!!」
【レイフォード家・帰宅後】
ノア:「王子との会話は2分14秒。手を差し出された場面では“0.3秒後に礼儀的に反応”。距離は適切」
レオン:「よしっ! 次は“舞踏会警備マニュアル”を作るぞっ!!」
アリア:「もう全部やだぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!」




