第十九話 妹、魔法科対抗戦で注目の的!? 王都の天才令嬢たちと“白熱の頭脳戦”が始まる!!
その日は、王都の上級貴族学園を含む、数校合同の特別交流戦――
通称《魔法科対抗戦》の日だった。
初等部の選抜生徒が、知識・判断力・実演魔法の総合成績で競い合うこの行事。
アリアのような“飛び級生”は、特別枠としてエントリーされていた。
教師:「レイフォード嬢は、今回《実戦魔法演算部門》に出場。課題に対し、即興で魔法を構築・発動してもらいます」
アリア:「は、はい……!」
【控室】
リリィ:「他校の生徒も粒ぞろい……王都の〈ルミナ女学館〉、貴族子弟専門の名門ね」
アメリア:「聞いたことあるわ。演算魔法で“実戦対応型”を完成させた逸材がいるって」
エマ:「つまり……アリアの出番ってことだねっ☆」
アリア:「うぅぅ……プレッシャーがぁぁぁ……兄様たち見てないよね? 見てないよね!?」
【観客席】
ノア(望遠鏡型魔法具を片手に静観):「あそこがアリアのブロックか……」
レオン(超目立つうちわを持ち):「“冷静アリアたん♡”“今日も天使!!”」
教師:「レイフォード兄弟、関係者席に座っててください! 応援うちわ、魔力制限してくださーい!」
【対戦開始!】
司会:「第1ブロック、《即応演算魔法》開始!
お題は“防御・反射・追尾”の三重構造を用いた“応答式陣形”! 制限時間は――」
アリア:「(ひぃぃぃ、なんか難しいのきたぁぁ!?)」
アリアの対戦相手は、ルミナ女学館のトップ、
“銀閃の令嬢”ことクラリス=フォン=アルトフェルド嬢。
優雅な銀髪を結い上げ、冷静な表情で魔法陣を構築するその姿は、まさに“氷の貴婦人”。
クラリス:「貴女が、レイフォード嬢ですね。……興味があります」
アリア:「えっ!? あ、あの、はじめまして……(な、なんか目がこわい!?)」
クラリス:「王太子殿下が名前を口にした子……どれほどのものか、見せていただきます」
アリア:「ぴぎゃあああああああ!!!??」
【競技中】
クラリス:三層式展開陣・展開速度:6秒
アリア :即興反応型・展開速度:3.2秒
審判A:「お、おぉ……反応速度が速い!? 型は即興式!? 7歳で!?」
審判B:「構成が柔軟すぎて読めない……! だが実用性もある!」
司会:「――終了! 判定の結果、勝者:アリア・レイフォード嬢!!」
会場:「おぉぉぉぉぉ!?」「飛び級ってマジだったの!?」「天才すぎでは!?」「いや天使かも!!」
【観客席】
レオン:「うおぉぉぉぉ!! アリアぁぁぁああ!! かわいすぎる勝利ぃぃぃ!!」
ノア:「勝因は魔力の最小消費と構造選択。良く見ている……ふっ(どや顔)」
教師:「関係者席って言ってるのにぃぃぃぃ!!」
【クラリス・試合後】
クラリス:「……貴女、ずるいわね」
アリア:「へ!? な、なにかしましたかっ!?」
クラリス:「その歳で、その実力。しかも“護衛12人”付きで、王子にまで目をつけられて……。
そのうえ、あの兄たち。
“お兄様2名に溺愛されてる天才妹”って……そんな設定、貴族界にあってたまるか!」
アリア:「え、え、えぇぇぇ!?!?」
クラリス:「――仲良くしてあげる。気に食わないけど」
アリア:「どっちぃぃぃぃぃ!?!?!?」
【その夜・レイフォード邸】
ノア:「アリアの成長が嬉しい。次は学術大会も視野に――」
レオン:「よしっ、対抗戦の記録映像を徹夜で編集して“アリア応援PV”にするぞっ☆」
アリア:「もうやだこの家ぃぃぃぃぃぃ!!」




