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第十四話 妹のイメージが勝手に美化!? “純白の姫”として学園の広報冊子に掲載されちゃいました!?

「ねぇアリア、見た? 今月の広報誌」


エマの声に振り返ると、そこには校内配布の冊子。

表紙には――ふんわり柔らかい光に包まれた少女の姿。


「……これ、誰?」


「……あなたよ」


 


掲載されていたのは、アリア・レイフォード、七歳。

飛び級聴講生として話題の彼女が、**“学園の希望と癒し”**として特集されていた。


アリア:「うそぉぉぉぉ!?!?!?!?!?!?!?!?」


 


【冊子・見出し抜粋】


◇飛び級の奇跡、優雅なる幼き才媛

◇天性の気品と、花のような微笑み

◇学園の空気を浄化する“純白の姫”――アリア・レイフォード嬢とは?


(※本人無許可)


 


「これ……わたし、何も知らされてないんだけど!!」


「でも、撮られてたじゃない? あの魔法演習の日とか、図書室で本読んでるときとか」


「うわぁ、あれ……“勝手に自然体を狙ったやつ”だぁぁ!!」


しかもその写真、すべてにソフトな光彩加工とエフェクトが盛られ、

まるで“イラスト調”のようにふんわりしていた。


 


そして――冊子は即日、兄たちのもとへも届く。


 


【レイフォード家・兄たちの反応】


ノア:「……美しい。言葉はいらない。額縁を用意した」


レオン:「“優雅なる才媛”って! え、天才じゃん!? この見出し天才じゃん!?(大興奮)」


ノア:「保存用、布教用、非常用と、三部確保した」


レオン:「父上の書斎の机にさりげなく置いておいた! あと、使用人の間でも回覧されてるって!」


アリア:「やめてぇぇぇぇぇええぇえぇ!!!!!!」


 


【その後の学園】


冊子の影響は想像以上だった。


“白の姫”というあだ名が自然発生。


食堂でアリアが座るだけでざわめく。


上級生が遠巻きに手を振る(なお、本人は気づいていない)。


校内の掲示板に“コピー貼付→誰が剥がしたかで争い勃発”。


リリィ:「あらあら……もう“静かに学園生活を送りたい”なんて、通じない段階に来てるわね」


アメリア:「本人が望まぬほど、周囲が勝手に“高みに持ち上げていく”……まるで聖女の運命ね」


アリア:「聖女じゃないしぃぃぃっ!! “飛び級のちょっと頑張ってる子”なだけなのにぃぃぃ!!」


 


【広報室・裏話】


職員A:「いやぁ~、あの子……撮るたびに絵になるんですよ。光の入り方も完璧で」


職員B:「いっそ“来年度のパンフレット表紙”もアリア嬢でいいのでは?」


職員A:「いけますね(即答)」


 


【帰宅後】


アリア:「兄様たち……あの冊子、ぜんぶ処分してほしいの」


ノア:「……すまない。それはできない」


レオン:「むしろ“第二弾が出る前提で保存体制を整えている”ところです」


アリア:「やめてぇぇぇぇえええっっっっ!!!!」


 


【結論】


こうして、“勝手に美化されて掲載されて広まりまくった件”により――

アリアの“平凡に過ごす計画”は、また一歩遠のくのであった。


なお、“次回の特集記事は何にしよう?”と職員たちが密かに計画を立てていることを、彼女はまだ知らない。


 

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