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第十三話 お兄様、ついに社交界にデビュー!? “妹のライバル令嬢”にうっかり囲まれた結果――!?

アリアにとって、それはまさに――

「お兄様が一番目立ってはいけない日」だった。


 


「アリア、今日はよろしくお願いしますね♪」


リリィ・クロフォードが、花のような笑顔で腕を組んできた。

その隣には、青のドレスが凛と輝く“優雅な氷姫”ことアメリア・ディグレイス、

そしてさり気なく手土産を持ってきたエマ・ハートもぴったり同行。


場所は王都で行われる季節恒例の**“若年層向け社交お茶会”**。

主催は王族関係の名門子爵家、参加は主に8〜13歳の貴族子女。

アリアは“家の立場”として招待され、数少ない同年代令嬢たちとともに出席していた。


 


アリア:「今日は……兄様たちは来ない。来てはいけない……!」


リリィ:「その決意、いつまで保てるかしら♪」


アメリア:「まあ、心配しなくても……目立つようなことには、ならないといいけど」


エマ:「(過去の例を思い出して)ならなかった試し、ある?」


 


そのとき――

会場の入り口に、紋章入りの馬車が横づけされた。


「まさか……」


「うそ、来た……来ちゃった……!」


アリア:「兄様たちぃぃぃ!?!?」


 


登場したのは、当然のごとく完璧に着飾った兄たち。


ノア・レイフォード:漆黒のタキシードにシルバーのタイ、王都仕立ての手袋と靴。

→一言もしゃべらずとも、佇まいだけで“本日の主賓”と誤認される破壊力。


レオン・レイフォード:襟元を少し崩したラフな正装と、無造作ヘア。

→「え、だれあれ、俳優……?」「王子枠じゃなくて“問題児枠”じゃない……?」とざわつかせる。


 


貴族令嬢たち:「あっ、アリアちゃんのお兄様たち……!!」


「きゃーっ! 本物初めて見たっ!」「イメージ以上!」「レオン様……っ!」


アリア:「もうやだ……今日は静かに終わる予定だったのにぃぃ!!」


 


そして事件は――**“兄たちと令嬢たちのフリートークタイム”**で起こる。


リリィ:「ふふ……ずっと会ってみたかったんです(学園に潜入してましたよね) 。レオン様」


レオン:「えっ、う、うん!?(笑顔が引きつっている)」


アメリア:「……アリアがいつも“うるさい”って言ってる兄。確認させてもらうわ」


ノア:「……。(目をそらす)」


エマ:「質問があります。アリアの部屋に“無断で突入する回数”を減らす予定はありますか?」


レオン:「や、やめて! 社交場で尋問形式やめてぇぇぇ!!」


 


そして極めつけ。


見知らぬ子爵令嬢(初登場):「あの、もしよろしければ、私と一曲……」


レオン:「あの、申し訳ないのですが妹以外の女性とは距離感が測れなくて……!!」


アリア:「うわぁぁぁ言っちゃったぁぁぁ!!」


 


結論として――

その日の社交会における“レイフォード家兄弟の印象”は以下の通り:


ノア:近寄りがたいが王族クラスの品格


レオン:妹命すぎて逆に危険


アリア:過保護兄を日常的に制御している天使(という誤認)


アリア:「わたしのイメージがどんどんおかしくなっていくよぉぉぉ……」


 


【その夜】


ノア:「……社交界というのは、過保護を抑える場ではなく、むしろ加速させる場だった」


レオン:「妹が正装で歩いてるのを見ると、なんか……保護本能がね?」


アリア:「兄様たち、しばらく謹慎処分です!!!」


 

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