最終話 平穏
無事に事態が収束して、俺には平穏が戻った。今はいつものように昼休みに屋上で涼んでいた。
うん。やっぱり、ここは落ち着くな。そんなことを思っていると、ガチャっと扉が開く音がする。
「ルイスか」
「あ。どうも」
いつものようにこの場にやってくるのは、ルイスだった。ペコリと頭を下げ、俺の横に並ぶ。
「体調はどうだ?」
「えっと……その、特に問題はありません」
「そうか」
「ウィルくんは、その。大丈夫なの……?」
ルイスが俺のことを心配そうに見つめてくる。まぁ、心配するのも無理はないか。あの戦いは割と激しいものだったからな。
「俺は問題はない。ま、無事に収束してよかった」
「そうだね」
話は一旦そこで打ち切られた。あの話題に関して、俺も特に深掘りするつもりはなかったからだ。
「そろそろ夏休みですね」
「そうだな」
「ウィルくんはその……何か予定があったりしますか?」
「ん? いや今のところ、別に予定はないな。まぁ、ある程度は活動もあると思うが、多忙ではないと思う」
この辺りはアイシアに訊いてみないと分からないが、俺が現状知っている限りでは特にスケジュールは詰まっていないはずだ。
「だ、だったら……」
ルイスは顔を赤く染め、俺のことをじっと見つめてくる。
「また一緒に出かけませんか? 僕、もっとウィルくんのことを知りたいです……!」
まるで告白のようなセリフだった。ははは。ま、そんなわけはないと思うがな。
「あぁ。いいぞ」
「本当ですか!?」
「別に断る理由もないしな」
そう二人で話をしていると、再び扉が開く音がした。現れたのは、サリナだった。いつものように凛とした雰囲気を纏っている。
「サリアか」
「二人って、いつも一緒にいない?」
じっと半眼でサリナが俺のことを睨みつけてくる。彼女の視線はどこか抗議の意味合いがあるような気がした。
「まぁ、成り行きだな」
「へぇ。で、夏休みは私も一緒に行動するから」
「聞こえてたから」
「そうか。まぁ、問題はない。な、ルイス?」
「え……? ま、まぁそうですよね! みんな一緒だと楽しいですよね!」
一瞬だけ悩むような素振りを見せるルイスだったが、彼女は明るい声でそう言った。そう話していると、予鈴が鳴った。
「教室に戻るか」
「えぇ」
「そうですね!」
この先にどんな未来が待っているのか、それはまだ分からない。しかし今後も俺は、自分の平穏を維持するために、あらゆる困難に立ち向かっていく。
そうして俺たちは、階段を降りていくのだった──。
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更新大変遅れてしまい申し訳ありません! 実は色々とここ数ヶ月悩んでいたのですが、ここで終わりにすることにしました。不定期な更新にもかかわらず、最後までお読みいただきありがとうございました!
また新作を始めました。タイトルは《転生したら魔力のない忌み子でしたが、実は莫大な魔力持ちでした。その魔力で自在に刀剣を生み出して夜魔を斬り伏せ、最強の退魔師へと至ります〜月夜の劣等退魔師〜 》です。
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ジャンルは現代異能バトルファンタジーになります。原点回帰的な作品であり、自分が今持っている最大限の厨二病要素を詰め込みました。
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