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脱出!生還!そして帰還へと、エピソード46

シャプリニーグ領都へ着き、馬車は領主館へと。

いや、なんで?

俺たち雇われ組を降ろしてつかぁーさいやっ!


まぁ、ラスカランダ領主様が用意された馬車だ。

行き先が指定されてたんだろう。


そら、援軍を一刻も早く貰いたいなら、領主館へ直行だわな。

分かりたく無いけど、分かります。


だが、領主館側からしたら知らんことでな。

いきなり隣領領主の家紋が付いた馬車が、乗り入れて来た訳だ。

そら、騒ぎにもなるわさ。


逆に領都へは、家紋の威光にて、スンナリと入れたんだがなぁ。

分からんもんです。


しかしさぁ、領主館ってるけど…完全に城ですがなぁ。

街からも、普通に見えるからさ、当然知ってはいたよ。

だが…まさか、俺が登城することになるとはなぁ…


いや、今からでも良いからさ、帰らせて…


「ダイル、何をしとる。

 たったと、降りてこんかい」って、ギムさんがな。


いつの間にか、城の玄関前へと。

現実逃避すら、許してくれません。


帰らせては…くれませんよ、ねぇ。

他の雇われメンバー達も、諦め顔だ。


そら、俺たちってさ、見習いや駆け出しは卒業したよ。

だがな、独り立ちしたばかりのヒヨッコなんだよっ!


とてもでは無いが、御領主様と謁見できる立場ではない。

え?

ラスカランダ領主様とは謁見してるって?


あんな騙し討ちみたいな謁見と、一緒にすなっ!

しかも、子爵様と伯爵様では、相手の立場が違い過ぎるわっ!


しかもさ、ビシッとした執事さんが、出迎えに来とります。

いやぁ、俺さぁ、執事さんて、初めて見たわっ!


んでぇ、執事さんに導かれ、城の中へと。

いやさぁ、俺たちは、通用口とか、裏口で良いんですよ?


この執事さんは、俺たちの到着について知ってたみたいだ。

実はな、ラスカランダ領から伝書鳥が放たれ、先にここへな。

まぁ、先触れみたいな物か。


ただなぁ、伝書鳥にて連絡が届くのは五分五分…いや、もっと低い確率らしい。

だから重要な情報は、送らないそうな。

この度は、馬車を送った先触れに過ぎないため、扱われたらしいぞ。


伝書鳥が運んだ書簡へは、ギムさんが乗っていることが書かれてたそうな。

ゆえに、採掘と調査の結果云々の報告が、受けられると考え、領主様直々に会われると…


いや、別に俺たちにさ、会わなくても良いんですよ?

会うのは、ギムさんだけにして頂けないでしょうか?


そんな願いは虚しくも叶えられず、領主様の執務室へと。


移動中にメイドさんを見れたのが、眼福でした。

ってもさ、執事やメイドは貴族だからな。

使用人のような庶民では無い。


ゆえに、下手に関われば、無礼打ちもありえるんだ。

だから、無遠慮に、ジロジロと見たりはしなかったよ。


ただ、ゾックがさぁ、メイドさんに見惚れたりしてな。

慌てて注意したり…結構、疲れたよ。

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