脱出!生還!そして帰還へと、エピソード42
ハーシスさんてばさ、自分への追求を逃れるため、俺を売りやがったよ。
全く。
俺としては、命懸けでの脱出劇だけでなく、クロード様のような高貴な出である方と接している。
さらにエルフさんが譲渡されてたエルダー・ハイ・エルフ様は、国を統べる王…女帝であったそうな。
結構な戦略家であり、謀略家だったらしく、女狐と近隣諸国からは揶揄されていたのだとか。
まぁ、属国にしてますが?
そんな方々と亜空間で会ってる俺にとり、子爵クラスの領主様との面会はなぁ。
逆に動じなさ過ぎて不自然と?
え?
だから周りから見られても、不自然に見られないように特訓!?
い、いやぁ〜
そ、それさぁ。
必要なのかな?
え?
必要?
特に、女帝様とマザーが組んで、ノリノリ?
イーヤァー!!!
でぇ、ダメ出し、遣り直し、リテイク、繰り返し…
パトラッシュ、僕、疲れたよ…
「何を大袈裟なことを言うておるのじゃ、そなたは?
大体、バトラッシュとやらは、日本でしか通じぬ。
もっと、広義に物事をじゃなっ!」
いや、そこ!?
そこなの?
っか、永遠に近い、お小言は、ご勘弁をば!
ヘルプ、ミーだっ!
あー、酷い目にあったぜっ!
クロード様がドン引きする特訓は、勘弁してくださいや!
まぁ、それで御領主様と相対しても、不自然でないていどにはな。
そして時は動き始める、ってかぁ!
まぁ、亜空間が時間超加速しているだけで、時は止まってませんが…なにか?
「ほぅ。
この者がな。
ダイルと申すか、して、どのようなことを体験したのだ?
詳しく話してみせよ」
そのようにな。
俺は軽く動揺したかの如く振る舞い告げる。
「は、はい!
申し上げますが…なにせ下賎な身なれば、言葉遣いや態度に無礼があるやもしれませぬ。
それでも宜しければ、お話しいたします」
少し、オドオドってな。
そこっ!
笑わないっ!
「ふむ、構わんよ。
斥候クランへは、依頼もしておる。
その際、言葉遣いや態度を、いちいち咎めておっては、肝心の情報が得られんのでな。
ゆえに慣れておるゆえ、気楽に話すが良い」
そのように仰るが、間に受けて乱雑に話す訳にもな。
「では、ご報告を。
我々は、シャプリニーグ領にて鉱石の採掘依頼を請け負い、この領にある廃坑へ採掘に来たのです。
採掘が終わり帰り際でした。
あるトラブルにて、私は皆と別れ、さらに殿をつとめることになりました。
洞窟内へと分け入ると、ゴブリンだけで無く、オークやオーガ、トロルなどが。
それを避けて進むと、廃坑へ穴が空いておりました。
確認したところ、穴の先は遺跡であり、狼人族が、亜人を率いていることを確認。
なんとか、入った穴より廃坑へ撤退できましたので、その侭、脱出したしだいでございます」
そう告げると、ことの重大さが分かったみたいだな。
亜人が群れるのも問題ではあるが、狼人族が亜人を率いていることが問題だ。
烏合の衆でなく、支配層がいる。
それだけで脅威が増すからなぁ。
「よくぞ、この情報を持ち帰った!
そなたへは、十分な報酬にて報いよう。
しばらく、コチラの用意する宿にて待つが良い」
いや、それは困るんですが!
「それは、お待ち願えませぬか?
ダイルは、ワシらと共に依頼遂行中でしてな。
無理に従わせられると、シャプリニーグ領主様と揉めることとなりますが?」
そうギムさんがな。
有難いが…そんなん領主様へ言って、大丈夫かぁ?




