脱出!生還!そして帰還へと、エピソード31
アッと言う間に消え去った、フロマージュ。
美味かったなぁ。
そがぁに、潔く皿を下げずに、お代わり持って来ても良いんですよ?
っても、誰も居らんがな。
メリーさんは俺を部屋へ案内した後、部屋から出ていったよ。
ウェイトレスさんは、扉の先で待機している。
その気配がな。
全てを透過系能力で知るのは、味気ないからさ。
日常では、あまり使ってないぞ。
まぁ、知りたくなったら確認するがな。
なので、1人で夜景を楽しんどります。
勢いで食してたから、この静寂に、ホッとな。
香り高い紅茶が配膳されていたからさ、それを飲みながらのんびりと。
そんな一息吐いたタイミングで、デザートが。
ん?
スイーツ?
ドルチェ?
いずれも、デザートみたいな菓子を?
いや、なんでもえーやんね。
美味いが勝ちよ、うん。
そして配膳されたデザートは…複数のスイーツが。
バテシェさん?
シェフさんに、対抗しとらんかね?
ん?
転生さんの生きた日本にて存在したスイーツ?
オペラ、モンブラン、ザッハトルテ、ショートケーキ、コーヒーゼリー、プリン…
何種類あるんやねん!
プリンも、パイ生地を土台にプリンが乗った品。
プリンがスポンジ生地へ、変わって行く品。
フルリ、トロリとした品。
様々なプリンがな。
このスイーツへ合わせるドリンクだが…ブランデーだった。
度数の高いアルコールってさ、甘味と合うんだよなぁ。
そして、そのブランデーなんだがな。
ポーラル・ジルラ。
ブランデーってさ、カラメルを添加したりするんだが…
ポーラル・ジルラは、何も足さないし、何も引かないんだ。
むろん、ボトリングする際には加水するし、澱を取り除くがな。
樽出し物をカスクと言うが、加水していてもカスクという場合があるらしい。
なので加水しない場合は、カスク・ストレングスとか、シングル・カスク・ストレングスと呼ぶこともあるそうな。
っか、通常売りされているウイスキーやプランデーは加水しているから、40度前後となる。
だが、樽から出したばかりだと、60度前後だな。
まぁ、一般受けしないから、未加水の物は出回らないがな。
そして、このポーラル・ジルラ。
これってさ、ポーラル・ジルラ氏がブドウを自分で育て、そのブドウでワインを造り、そのワインを蒸留してな。
樽へ入れ熟成させた後に、自分でボトリングして出しているらしい。
ブドウの品種は、亜空間特有の品種でな。
ワイン用に精霊が調整し産み出したらしい。
その儘でも、デザートワインにできる糖度を誇るが、カビ付けした後に、さらに凍らせ、ギリギリ極限までブドウを追い込んだ後に収穫。
皮ごと搾り、樽にて熟成させること十数年。
それで出来たワインは、そんじょそこらのワインでは、太刀打ち出来ないクオリティ。
にも関わらず、ワインとしては一滴たりとも出さない。
全てがブランデーへと。
そんなハイ品質であるワインを全て蒸留し、樽詰めすること5年。
ようやく、世に出る訳だが…
10年物、25年物、30年物なども。
そして俺が飲んでるのがさ、100年物のヴィンテージ物だ。
そんなに寝かせるなんて、頭おかしいんじゃね?
そう思うだろうが…俺のストレージ機能である時加速を、使ってるんだとさ。
便利に使われてんなぁ、俺。
まぁ、それでさ。
こんなに美味いブランデーが飲めてる訳だから、良いか。
ちなみに、加水なしのカスクを頂いてますよ。




