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脱出!生還!そして帰還へと、エピソード4

俺の無敵な能力ぅ!てなことを、考えてたこともありました。

意外と使えない。


地精霊に手伝って貰って、脱出口でも魔術で造りますかね、はぁ。

そんなん思ってるとさ、ギムレットさんがね。


『お(んしゃ)、確か糸で穴掘っとらんかったかいのぅ?』ってさ。

「確かに、糸を通す穴は造ってましたけど?」


何が言いたいんだろね?

まさか、あの小さな穴を潜れとか?

まさかね。


したらさ。

(ぬしゃぁ)、糸ん先へ亜空間出しちょらんかったかぇ?

 糸を地上まで出し、お主は亜空間経由で外へ出る。

 出来るんじゃなかろうかのぅ?』


そんな提案がな。

目から鱗です!


早速、提案された方法を。

糸を通すのは、瓦礫の隙間も使うから楽に行えたよ。

スルスルと系を伸ばして、クレバスの上へと。


そこへ亜空間への出入り口をな。

糸を出した侭、別に開いた亜空間の出入り口へと入る。


さほど離れてない場所へ、亜空間からの出口が見えたので、亜空間から出る。

うん、見事にクレバスの上だな。


糸をマナへと戻し、出入り口を閉じた。

うっしゃぁ!

久しぶりの外だぜっ!


無事、生きて脱出できたよ。

しかし、良く生き残れたよな、俺。


辺りを見回す。

遠視、透視を使ってな。


うわぁー、こんな範囲が居ながら確認できるって、ヤバくね?

王都にある謁見室の様子が、チラッと見えたからさ、思わず遠聴と透聴も使用して拝聴してみました。


この距離は、流石にバレないみたいだな。

えーっとぉ、俺が今居る場所を含む土地を領地とする領主様からの陳情みたいだ。

領主名代が謁見室にて陳情中ってか?


最近、この領地に亜人が増え、被害が拡大しているそうな。

領兵だけでは抑えきれないため、派兵を願ってる。


あーっと、これ。

あの遺跡を拠点にしてる、亜人たちのことじゃね?


ふむ、思わず遠くって、王都方面を見たが…近場を見てみるかね。

いっ!

ヤバっ!

皆んなが亜人に囲まれて、戦ってるじゃないかっ!


俺の居る山頂付近から仲間の近くへ移動するのは、普通なら20日以上掛かるだろう。


だが、今の俺なら一瞬だ。

転移は届かないが…


俺は足場を蹴り、宙に身を踊らせる。

そして物質化にて足場を宙に創りつつ走る!


飛ぶように走るてぇのは、まさに、このことだな、うん。


転移で届く感覚が。

即座に、仲間近くへと。


隠密状態で、次々とゴブリンの首を短刀で刎ねる。

オークの足を、鋼糸にてハネ飛ばし、オーガへ氷結の魔術を。


囲いの外から削って行くと、内側のヤツらが気付いたみたいだな。

明らかに動揺し始めているぞ。


おっとぉっ!

ここで、ソリタの大技かぁっ!


巻き込まれては堪らん。

即座に退避すると、電撃魔術が放たれた。


うぉっ!

アイツ、こんな魔術も使えたのか。

範囲外へ逃れた後、俺は鋼糸で残敵の始末をな。


「なんか知らんけど、助かったなぁ」っと、ゾックがな。

「ああ、そうだね。

 しかし、魔術が間に合って良かったよ。

 けど、精神的に疲れたから、もう無理かな?」


ソリタが、そんなことをな。

したらな。

「ふぅ、ギムさん達の治療も終わったわよ。

 皆さん、ギリギリだったわね。

 もう少し救援が遅れたら、全滅してたわ。


 それで、どなたが助けて下さったのかしら?」

そう言って、リタが辺りを見回す。


なのでな。

「危ないとこだったな?」って、シレッと出て行きました。

なにか?

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