脱出!生還!そして帰還へと、エピソード2
亜空間へマナが、溢れてるそうです。
何処から?って思っていたとです。
したらな。
『我らが居る空間もだが、マナの海に浮かんでいるシャボン玉みたいな物らしい。
これは推察に過ぎん故、立証はされてはおらんのだが…
私の生きた時代では定説になっておったな。
そんなマナの海に浮かぶ空間は、定期的にマナの海よりマナを補充しているらしい。
なので亜空間からマナが無くなることは無い訳だ。
さらに、あの空間はマナの海からのマナ補充効率が良いみたいでな。
この世界の数十倍はマナが溢れておるぞ。
故に精霊たちが、嬉々として世界を拡張しておる。
さらにダイル、君に亜空間からマナが注がれておる影響で、亜空間が拡張されておるからな。
そのせいか、さらにマナが増えてるのだよ』
そうクロード様の解説がな。
アザス!
しかし…色々と始めて聞くことが多いんですが?
まぁ、宿る先には問題は無いってことで、記憶譲渡された後は亜空間へと、ご案内ってな。
物質化にて分身を創ってさ、その分身へ宿って頂き送りましたよ、ええ。
で、記憶譲渡して頂いたからさ、ここで何があったのかが分かったよ。
まずは帝国人以外の7人。
コチラは、洗脳、隷属などに縛られ、ここまで来た後に身動きできずに餓死だな。
これ…俺も仲間入りするトコだった訳か…
危ねぇーっ!
で、帝国人たちだが…潜在能力に洗脳無効化、隷属解除、意識解放と言う力を持った者がな。
そう全く支配制御されなかった訳だ。
そんな彼は、ここまで来て奴隷化された同胞を見付けた訳だ。
腹を立てた彼は、同胞を解放しようとしたが、彼の能力は自分にしか行えない能力だったんだわ。
ならば、支配している者たちを殺せば、解放されるのでは?
そう思って貴族たちをな。
ここまで来た彼にとり、貴族なんぞ敵では無い。
だが、貴族は身を守るため、支配下の帝国人たちへ彼を殺すようなとな。
それで、壮絶な殺し合いが。
まぁ意識がハッキリしていり彼と、洗脳され隷属状態の者との戦いだ。
彼の優位にて戦いは進む。
間に貴族たちを挟み、巻き込む形にて戦うため、貴族たちは次々と惨殺されて行く。
何せ姿形どころか、音や匂い、気配がしない。
触感さえ感じられない者たちの戦い。
むろん、感知系能力にも反応しないからな。
側からは、何も起こってない状態での戦いだ。
なので、いきなり隣人がな、ズタボロになって死ぬなんてなことに。
互いに相手の居場所を推測しての戦い。
彼が優位に進めてはいたが、多勢に無勢な訳で…
最後には討ち取られてしまう。
だが、その頃には、戦っていた6人も致命傷を負っており…
てなかとが、あったみたいだな。
貴族連中は、この戦いで全滅。
可哀想なことに、使用人たちも巻き添えになってたよ。
彼らの記憶では、帝国は末期状態でな。
連合軍に押し込まれてたらしい。
どうやら、ここは上級貴族共の隠れシェルターだったみたいだ。
自分たちだけ逃げて隠れたのか?
胸糞悪い。
ここへ来る転移陣は、登録されたマナを持つ者にしか反応しないらしい。
その登録は、この場所へ来ることなのだとか。
そして此処へは、登録者同伴で、かつ、登録者の許可が必須らしい。
っても、街と頻繁に行き来していたら、間者が入り込む可能性があるため、基本的に入ったら出なかったらしいな。
だから戦争の状況は知らなかったってさ。
まぁ、100%負けだったらしいが…
で、俺の登録は、この部屋の魔法陣にて自動登録されたそうな。
いや、そんなんで良いのか?
セキュリティ、ガバガバじゃね?
そうそう。
施設内の代物は、死体を除き全て糸とインベントリのコンボにて回収済みです。
最早、完全に不要施設ですね。
さて、出るか!




