鉱洞での採掘依頼、エピソード50
そんな俺へさ、いきなり誰かがね。
『そんなネックレスへ、執着する必要は無いであろうに。
亜空間は、ソナタの一部のような物ぞぇ。
そこへ放たれた精霊が、ソナタに協力しようわぇ』っと。
えーっと…だれ?
俺はキョロキョロと、辺りを見回す。
したらな。
「何をしとんじゃ?
お主は?」って、ギムレットさんに、突っ込まれたよ。
「いや、今さぁ、誰かにはなし掛けられたんだが…
可笑しいなぁ?」
誰も俺へ話し掛けた感じではな。
したらな。
『妾は亜空間より話し掛けておるぞぇ。
水精霊であるぞ』
そんな声がね。
上位精霊になると、そんなことも出来るんだね。
それからは、ネックレスへ宿った精霊を亜空間へとな。
全員が上位精霊になったよ。
火と光の精霊は、魔導太陽へ宿ったみたいだ。
ん?
雷精霊もか?
闇精霊は影や洞窟へとな。
水へは水精霊、土に地精霊が。
亜空間内の風へ風精霊だな。
生命の精霊のおかげで、生き物たちが元気になってます。
相乗効果で生命精霊も活性化だね。
樹精霊は草花や樹木などの植物へ。
自然豊かやねぇ。
で、亜空間を満たすマナを精霊たちがさ。
亜空間へ浮かぶ島見たいだった、元トレントエリア。
地精霊がマナを土地へと。
マナを風って言うか空気へ、風精霊が変える。
水もだな。
そしたらさ、生息領域が増える訳で…
みるみる内に、樹木や草花、生き物が増えて…
いや、早くね?
あっ!
こらぁっ!
勝手にインベントリの時加速能力を流用すんじゃねぇ!
もう知らん!
後は精霊に丸投げしとこ、そうしよう、うん。
いや、クロード様?
そがぁに呆れんでもさぁ。
照れますなぁ。
そんなことの間に、俺は糸をガンラエリアへと。
アイツらって魔導生物だろ?
だから生物っても、ゴーレムみたいな存在な訳で…
入りましたよ、インベントリへ。
当然、時戻しと、時加速だね。
色々と素材と技術が、手に入りました。
1番の収穫は、あの巨大な目玉となった水晶です。
コレって人工水晶だったみたい。
けど、今の時代には、造り出す技術は無い訳で、売ればかなりの値段になるだろう。
え?
物質化で創ればって?
あんなぁ、物質化で創った代物には、顕在時間に制限があるの!
何時までも存在する訳では無いから、売ったら詐欺だぞ!
そんな犯罪まがいなこと、する訳ないだろ。
それに、この水晶を売ったら、大騒ぎ必須だ。
絶対にトラブルが発生するね。
そんなんに、巻き込まれるのは、ごめんだよ。
さて、そろそろ扉を開けるかね。
実はさ、ドラウルエリアから糸を地中へ潜らせて、扉の先へと。
何せ、扉と壁面は魔術コーティングされており、透過しての移動おろか、透視もできないからなぁ。
向こうの状況は、分からなかったんだよ。
で、糸を地に潜らせ、魔術コーティングを迂回させてみたんだ。
ガンラをインベントリへ取り込んで解析したことで、生物をナマ化していた絡繰が分かったからな。
それを流用して、物質をマナ化することに成功。
結構難しいんだが、針先ていどをマナ化するのは容易い。
そんな感じで糸を送り込んだんだが…
扉潜った直後に、洗脳やら隷属やらな。
そんなんを、何重にも掛ける魔術陣が仕込まれてたよ。
鋼糸にて速攻で破壊したがな。
その後は普通の通路だった。
いや、トレントエリアみたいなトコもな。
畑のような場所もあり、ゴーレムが世話をしてるな。
倉庫には収穫した野菜などが。
痛んだら肥料にしてるみたいだ。
食べる者は居ないが、一応サイクルしてる?
無駄なリサイクルだなぁ。
さて、先も判明し、安全も確保したことだし。
行きますかね。




