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鉱洞での採掘依頼、エピソード5

狼人族(ろうじんぞく)が去った後、俺は小部屋へと。

辺りには何か居る気配はないし、ここへ来る途中に何ヶ所か狼人族の見張りが道を封鎖していた。

まぁ、物陰に潜みつつ迂回すれば通り抜けれる程度ではあるのだがな。


だが支配下の亜人達ならば、あの程度の検問で問題ないんだろうよ。

それにさ。

亜人だらけである、この場所にだ、異種族が入り込むなんざぁ考えてもいねーだろーしなぁ。


小部屋には身を隠す場所もなく明るい。

なので慎重に近付く。


行く必要は無いなやもしれないが、ここは遺跡みたいだし、何か脱出するヒントがあるかもしれんのでな。


慎重に中を伺いながら、小部屋へと。


うん、台座と壁面に書かれた文字。

それに閉じられた扉かぁ。


あの扉、開きそうにないが…なんとか開くことは、できないものだろうか。


辺りを伺いつつ、扉、いや、壁面へと。

書かれている文字をな。

少々古い文体ではあるが、ここら辺で使用されている文字のようだ。


その文字の横には古代文字。

こちらは、まったくだな。

流石に古代文字は分からんよ。


どれどれ?

《ここを訪れる者へ。

 古代文字が読めずに難儀していることだろう。

 私も難儀したのでな。


 だが、台座の指輪を嵌めれば読めるようになる。

 これは間違いない。


 だが!安易に指輪を嵌めないことだ。

 台座周辺のミイラや骸骨を見れば、ただならぬ自体だと分かるだろう。


 これらの死体には全て指輪が嵌っている。

 確認して貰えば分かるだろう。


 そう指輪を嵌めたことにより死亡したのだ。

 つまり、この指輪は素質の無き者が嵌めると、指輪が装着者を弑いるということだ。


 安易に嵌めないことだな。

 もし引き返せるなら引き返すことを、お勧めする。


 私は引き返せないゆえ嵌めたが…運が良かっただけだ。

 もし嵌めることを選ぶなら、君に素質があることを祈ろう。


 後、指輪を嵌めて生き残れたなら、開かずの扉が開く。

 私は扉を潜り先へと進もう。


 君に幸あらんことを》


長え文だなぁ。

っか、死体?はて?

そんな物は…あ。


亜人のオーガやトロル。

ヤツらは死体だろうが、骨だろうが、関係なく貪る悪食だ。

ここには狼人族が出入りしてたんだから、ヤツらの餌として持ち出したんだろう。


しかしなぁ。

この指輪を嵌めたら扉が開くのかぁ…


なんの素質か分からんが、素質が無ければ死んでオーガかトロルの餌。

つか、引き返しても、数が増した亜人が跋扈する地を、無事に通り抜けれるとは思えない。


生き残れる可能性があるのは、指輪を嵌めることだな。

こうなると、大量の死体が無くなってるのが有難い。


壁文を書いた人って、死体がゴロゴロしてるとこで指輪を身に付けたんだよな。

なんて勇者?


俺なら死体が無数に存在し、その死体が全て台座の指輪を嵌めてたらさ。

ぶるるっ!

とてもではないが、嵌めれねーよっ!

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