鉱洞での採掘依頼、エピソード49
しばらくして、ドラウルを狩に行ってた者たちが帰って来た。
黒鉄装備だけで無く、金貨や宝飾品なども手に入れて来たみたいだ。
「ドラウルを殲滅して来たぞい。
程度の良い物は少ないのぅ。
経年劣化ゆえ仕方ないが、良品が無いわえ」
ギムレットさんが渋い顔でな。
まぁ、受け取って時戻しにて、一旦、素材に戻してから時加速を行う。
こうすると、素材が残る場合がな。
今回も素材が色々と現れたよ。
で、時戻しに時加速した武具は新品に。
一部の武具と素材を取り出し、それをドワーフ達へ渡す。
「おお!
こりゃ凄いのぅ。
これが、あの劣化しとった武具かえ?
素材は…黒鉄のインゴットに革紐、鉄のインゴット、鉄鉱石、黒檀鉱、銀鉱石…
なるほどのぅ。
黒鉄は合金じゃっかぇ。
どうりで鉱石を探しても、見つからんハズじゃて」
ギムレットさんが受け取った後、真剣に素材を調べてる。
まぁ、ほっとくか。
今、俺は並列思考でな、鍛錬を兼ねて色々と行っている。
インベントリ内では、様々な品を時戻しし、時加速を。
物によっては、素材だけではなく、品が増えるからな。
増えた場合、その品を時戻しする。
そうすると、その品を作った時の素材が。
そして、時加速。
てな具合で、様々な品がな。
例えばエリクサーの素材が、ドラゴンの血以外にもさ。
クロードさんが、どれも珍しい素材ってたなぁ。
次に、魔術や武術、治癒術などの訓練。
講師は擬似人格分身さん達ね。
なかなか、容赦無いっす!
最後に糸を伸ばしての実験。
結構先まで伸ばせる事が分かったよ。
しかも、糸の先端だけでなく、途中からも魔術や治癒術を放てる。
それどころか、物質化も行えたよ。
糸の先へ大剣を物質化にて作成。
糸を持ち上げた後なら、いきなり現れた大剣が、敵に振り下ろされる訳だな、うん。
さらに分身だって、糸から放てちゃう。
これはギムレットさん達が、帰って来てから判明したんだけどさ、そりゃぁ、散々文句言われましたとさ。
で、最後が、今試してることで…
糸でインベントリや亜空間が扱えるか?だな。
結果は扱えましたよ、ビックリ!
これらは、己自身の近くでないと展開できない制約があるんだ。
だから遠く離れた場所には展開できない。
だが、糸が俺に繋がっているためか、俺の一部と判定されてるみたいでな。
いや、違うか。
物質化で俺が創り出したから、俺の一部と判断されてるんだろう。
そして糸からインベントリを展開して、隠し部屋から色々と失敬したりな。
亜空間の方だが…
トレントエリア、頂きました。
はい、そりぁ、根こそぎです。
岩の巨大空間が広がるだけですね。
あ、トレントは全て伐採済みだぞっと。
トレントを普通の木にしたタイプを、代わりに植えてます。
この地には、他にも精霊さん達が居たのでな、マナや微精霊をエネルギー化して渡したんだわ。
したら上位精霊さんに、なっちゃった。
こんなことに、なるんですねぇ。
したら、ネックレスへ宿る中精霊から、不満そうなイメージが。
意識あったんだね、君ら。
しかしなぁ…
「ネックレスへ宿った精霊が上位精霊になったら、ネックレス壊れない?」っと困ってたらさ、ギムレットさんが呆れたようにさ。
「何を言うておるんじゃ、オンシは?
ダイルなら簡単に直せるであろ?」ってさ。
あっ!
時戻しに、時加速!
どんなに壊れた代物でも、瞬時に直せるようになったんだけ?




