鉱洞での採掘依頼、エピソード43
そんな新事実を知ったりしたが、次の台座へと挑むことにな。
いやさぁ、一応は引き返すことも考えたんだよ、うん。
だが、どうしても台座に挑まなくてはならないって…
嫌なんだけど、抗えなくてな。
これが強制力なのか?
知ってからも抗えないとは、なんと悪辣なっ!
仕方ない、最悪死んでもクロード様に、蘇生していただける。
そう思えば、以前よりは気が楽か?
いや、死にたくないんですが?
渋々と、台座から珠を取る。
指輪へ嵌めると明滅ってな。
触るとぉ…恒例のぉ、激痛です!
イデェっ!
オガァージャーン。
何で、お母さんなんだろね?
お父さんでも良くね?
のたうち回りながら、そんなことを。
『意外と余裕あるではないか』っと、クロード様がね。
そんな訳あるかぁっ!
全身を鋭利な金物で、ズタズタに引き裂かれてるような痛み。
気が狂いそうだ!
ん?
痛みが緩んだ?
痛いが、我慢できる程度に。
なんぞ?
『下手に術を施すと危険だったが、山場は越えたみたいなのでな。
ちと痛覚を鈍らせる魔術を施したぞ。
多少は楽になったであろ?』
そんなことを。
アナタは神かっ!
『ん?
私はクロードだが?』
そう言う意味じゃねぇっ!
天然か!?
『天然?
いや、私は人工物ではないから、確かに天然なのだろうが…
それに、何の意味が?』
………も、良いっす。
痛みが和らいで来たな。
しかし…台座の説明、ふざけてんのか?
潜在能力を引き出す、無ければ即死って…
『いや、物語にあるような鑑定能力など、御伽話の部類ゆえな。
先の台座での判定は、想定内の能力のみ推し測っている。
普通は開花した能力を判別する術はない。
まぁ、私は魂へ刻まれた技能を押し測る魔術を開発しておってな。
それゆえ、己へ発露した能力を知れた訳だ』
クロード様、スゲェっ!
したらな。
『私は、魔術や内政には強くてな。
その代わり、運動能力は壊滅的でなぁ。
方向音痴でもあり、屋敷内でも、良く迷っておったよ』
そう、しみじみと。
人間って、完璧では無いってことだな、うん。
で、俺の引き出された潜在能力なんだが…
『マナや気、微精霊を元に物質を作り出す力だな』
んっ?なんだか微妙なんですが?
『とんでもない!
物質化できる時間は限られておるが、物質化にて宙に足場を作れば、宙を移動することもできよう。
飛ぶのとは違い、宙に留まることも可能。
さらに、ゴーレムのような…いや、ホムンクルスのような存在も、一時的にだが作成可能になるだろう。
ふむ。
私の体を造って貰えれば、色々と協力も可能か?
ワンドの容量には余裕がある。
私の他にも魂をスカウト出来れば、色々と助かるのではなかろうか?』
そんなことをね。
ワンアーミーならぬ、ワンチーム?
1人だと思ってたら、複数人だったと?
なんて厄介な。
『まぁ、使い熟さねば不可能だろう。
色々と修練が必要であろうな。
とは言え、ダイルは様々な記憶と経験が譲渡されておる。
通常に比べれば、習得は早かろう。
私も協力するゆえな。
さて、始めるかね』
お手柔らかに…え?ダメ?
orz




