鉱洞での採掘依頼、エピソード40
クロード様の提案は、一考の価値があるだろう。
1番のメリットは、珠の即死効果から逃れる可能性を得られることだな。
次に、アドバイザー的な存在としての価値だろう。
譲渡された記憶は記憶にすぎない。
それ故に意思などはなく、情報を出してくるだけだな。
まぁ、それも十分に有り難いのだが…
そんな譲渡記憶へ、相談したりするのは無理だ。
ま、当然だな。
だが、クロード様の場合、ワンドに憑依した魂であるため、相談も可能だ。
では、デメリットは?
あれ?
今のトコ、思い付かないな。
クロード様の要望も分かるし…うん、良いんじゃね?
そう考えた俺は、クロード様の提案を飲むことにさ。
『それは良かった。
それで確認なのだがね』
「何でしょ?」
『今は、ゼリオ歴何年かね?』っとさ。
ゼリオ歴ねぇ。
「今は使われてない歴ですね。
今は王国歴が使われてますから」
その後、クロード様と、色々やり取りをな。
まぁ、クロード様が亡くなったのが、何時の時代かは分からないが…相当な昔みたいだな、うん。
途中で食事をしながら、結構な間、話したよ。
どうやら俺も会話に飢えてたみたいだ。
人は1人で生きられないてぇのは、こう言うことかね?
そんな話しをした後、いよいよ次の珠をな。
さて、この台座の珠は、どのような能力をくれるのやら。
そして確認した結果だが…
《【状態異常無効】
以下の全て、もしくは、いずれかを得られる。
ただし、いずれに対しても素質なき場合、即死するであろう。
・あらゆる毒を無効化
・あらゆる病いを無効化
・即死攻撃の無効化
ただし、本試練の機能は除く
・極寒遮断
・灼熱遮断
・状態異常の無効化
幻惑、催眠、魅了など、あらゆる異常
ただし老化および再生は含まない》
そんなん書かれてたよ。
いやさぁ、老化は状態異常じゃないだろ?
再生って、トロルじゃあるまいし…
ちなみに、トロルの再生能力は有名だ。
あれは強力な力なんだが…代わりに知能低下を齎しているらしい。
嫌だぞ、そんな力!
しかしさぁ、こんな能力を得られたら無敵じゃね?
っても、ガンラに捕らわれたら、マナを吸われ消滅するし、大蛇様にパックンチョされたら、生きながら消化されるけどなっ!
その説明を読んだ後、台座から珠を取る。
おそらく、おそらくなんだが…記憶譲渡関連にて、即死は免れるのだろう。
免れる、よな?
でも、ヤッパリ怖い訳で…すんなりとはなぁ。
しばし躊躇したが、なんとか指輪へ珠をな。
ふぃー
生き残れたぁー
だが、まだ点滅している珠に触る作業がな。
ここの台座から得た珠を嵌めた後、点滅状態の珠を触ると激痛が走ってるからなぁ。
ちょっと、躊躇してるよ。
だが、触らないと得た能力が分からない訳で…
仕方なく触ると…
うぎぁーっ!
てぇーっ!痛ぇーよぉっ!
んじゃてぇんだぁっ!
余りの痛さに、のたうち回るハメにな。
で、ようやく治り…
「ぜぇ、ぜぇ。
ひ、酷、酷い目に、あった、ぜっ…
だんだん、酷くなってね?、これ…」
思わず呟くと。
『それは仕方あるまいな。
能力に合わせ、肉体改造されておるのたまから。
エルフの私でも激痛が走った記憶があるが、君は一般的なヒューマンみたいだ。
改造度合いが異なるだろうからな』っうことをさ。
いや、改造?
俺…改造されとんの?
なんだか、ヤダな。




