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鉱洞での採掘依頼、エピソード30

洞窟内に造られた森。

広大なホールなのだろう。

崩れないのか?これ?


しかし、洞窟から見える森は、どう見ても普通の森だ。

これが人工物とはなぁ、とても思えんぜっ!


とりあえずは、洞窟から出ますかね。


うん、外じゃね?

なんか騙されてる気分だ。


ウサギや鹿の姿も。

そりゃ当然、狼さんも居るかぁ。


全て、俺に気付いて無いがな。


うわぁ、グリーンレオパルドじゃねぇかっ!

滅多にお目にかかれない貴重な生き物だ。

その毛皮の価値は計り知れないらしい。


まぁ、かなり危険な生き物でもあるんだがな。


本来なら狩りたいとこだが、狩っても持ち帰るのがなぁ。

切実にマジックバックが欲しいぜっ!


そんな生き物が干からびて死んでる場所が。

木しか無いんだが、明らかに怪しい。


生命探知で探るが、木しか無いな、うん。

マナ感知でも木しか無い。

気察知では…あれ?


一本の木が、明らかに気量がおかしい。

あれ、なんだぁ?


俺は譲渡記憶にて、似た状況を調べる。

するとトレントが、該当したな。


え?トレント?

顔も無いし、根で歩く気配も…


それは御伽話の創作?

実際のトレントには顔も無いし意識すらない?

歩くことも無い、だ、とぉ!?


植物の一種で、気察知にて獲物を察知。

地面に張り巡らせた蔓にて獲物を絡めて取り、気を根こそぎ奪うらしい。


成長すると、マナまで吸収し始めるため、死体は残らない。

っまり、死体が残ってるのは、若いトレントだからってことか。


気を奪われた死体は、野生動物なら普通に食えるだろう。

つまり誘き出すための餌となってるんだとさ。


このトレントって、気察知が鋭いらしいんだが、俺には全く反応しない。

やはり気遮断が効いてるんだろう。


ふむ、このエリアのコンセプトは、気遮断ができてることを認識させることだろうな。

だってさぁ、気察知で確認したらな、進行方向にはトレントの森が広がってんだもんよ。


ハッ!

まさか!

また、迂回ルートがあるのか?


俺は洞窟へ戻り、念入りに調査を。

うん、魔術で隠蔽された通路がな。

やはりなっ!


その道を辿ると、ガンラエリア入り口へ辿り着きましたとさ。

orz


気を取り直して、隠し通路にて戻る。

出たら壁文。

気付けよ、俺!


だが、隠し通路を見付けられることは、分かったか訳だ。

ならば、トレントエリアの迂回ルートも見付けられるハズ!


で、結局…見付かりませんでしたとさ。

クソっ!


仕方ないからさトレントの森を進むことに。

気配を押さえ、マナと気が漏れないことを意識する。


これは得た知識から引用した技術なんだわ。

まぁ、指輪の力で隠蔽されてっけどさ、万が一を考えて身に付けることは、悪くはあるまい。


なるべくトレントでない木を選び進む。

っても、トレントしか居ないシーンも。


でな、トレントに実る果実がさぁ、実に美味そうな甘い芳香を。

それに釣られ、様々な生き物がトレントへと。


そして気を奪われ、マナを奪われて、消滅して行く。

なんてホラー?


こんなんばっかりですか?

もう、ヤダっ!


そんなん思いながら、トレントの果実を食べてます。

旨し!

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