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鉱洞での採掘依頼、エピソード29

岩棚から通じる穴から洞窟へと。

しばらく洞窟が続く見たいだな。


ん?

これは…壁文!壁文さんじゃぁ、ありませんか!

お久しぶりです!

ここまで来れてたんだなぁ。


そんなん思いながら、壁文を確認。

《ガンラエリアを抜けたが、拍子抜けだっな。

 子供騙しか?


 入って暫く歩き周ったが、出口がガンラで塞がれていた。

 これは、明らかに別ルートがあるハズ。


 そう考えれば、入り口付近まで戻るのは必然だろう。

 君も、ここへ来たと言うことは、隠しルートを見付けたのだろう。

 全く、こんな子供騙しな試練をな。

 君も拍子抜けだっただろ?


 さて、つぎは何をさせられるのやら。

 いい加減に出して貰いたいものだ》


……… ……… ………

orz


俺の苦労は…なんだったんだろう?

そぉーっと、涙を拭う。

悔しいです!


ま、まぁ、あれだ、アレ。

記憶を譲渡されたばかりだったしさ。

多少、混乱してたんだよ、うん。

見落としくらいあるさね。


ん?

言い訳?

何のこと?


さて!終わったことより、これからだ!

誤魔化すな?

うっせーよっ!


なんか混乱したが…ハッ!

まさかガンラの幻惑か!?


うん、多分、大丈夫、大丈夫だ。

そう、多分な、うん。


ちと不安になりつつ、洞窟を進む。


コウモリやネズミの数が増えてないか?

苔も増えて来たような…


はい?

なんか、あっち…明るくね?

明らかに光が洞窟へと差し込んで来てるよな。


もしかして、出口かっ!

思わず駆け出してしまった。

洞窟の出口からは木々が見える。


やったぁっ!

ようやく出れた?


いや、待て。

おかしい。

洞窟は、降るように、奥まるようになっていたハズ。

ならば山の中であるハズだ。


明らかに怪しいな。

慎重に辺りを伺いつつ進む。


したらさ、うん。

壁文さんだね。

さっきぶり。


ちと読みたく無い気分だが、情報は重要だ。

ならば、読まねばなるまいよ。


渋々と壁文をな。

《素晴らしい!

 実に素晴らしいではないか!


 洞窟内へ、これほどの自然を造り上げるとは!


 空には魔道太陽らしき物が。

 定期的に水を撒いてるのは、雨の代わりか?


 土は外から持ち込んだのだろうな。

 これだけ膨大な量を持ち込むとはな!


 しかも、ここには生態系が構築されているではないか!

 魔術で領地を富ます試みをしていた私にとり、実に感慨深い施設である。


 しかし、ガンラの隠し通路を隠していた魔術にしても、実に興味深かった。

 あれは多少の魔術素養がある者が、あの珠を得ることで見破れることができるようになっていた。


 今の時代、魔術素養の無いモノなどおるまい。

 なれば、注意深くマナ感知すれば見破れようからな。


 そのギリギリを狙うとは、造り手として、天晴れと言えよう。


 しかし興味深い。

 もう少し観察してから進むこととしよう》


いや。

魔術素養がある者は、珍しいからねっ!

時代が違い過ぎたんですね、分かりましたか。


しかし…これ、造られた自然なのか?

心地よい風が吹き、小鳥が囀る。


リスやタヌキ、キツネの姿も。

他にも生き物を感じられるな。


完全に外やんね。

泉に川も、ここから見受けられるぞ?


住もうと思えば、住めるんじゃね?

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